2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of high spatio-temporal resolution resistivity monitoring system at Aso volcano
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26350475
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇津木 充 京都大学, 理学研究科, 助教 (10372559)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 比抵抗 / 連続モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年の4月に熊本地方を震源とする熊本地震が発生した。この地震で阿蘇山上へアクセスするための道路が甚大な被害を受けた。また火口北側を通る道路(マウントカー道路)が地震により複数個所で崩落し、従来の観測で人口電流送信局として用いていた観測点が破壊された。さらにこの後、2016年10月に大規模なマグマ水蒸気爆発が発生し、京都大学で維持していた火口近傍観測点に大きな被害が生じた。この噴火で、火口近傍の繰り返し観測点も大量の火山灰に覆われ、全観測点が破壊される甚大な被害を受けた。以上の事態を受け、これまで行っていた地下比抵抗の繰り返し観測の継続に困難が生じ、観測継続は中断を余儀なくされた。 しかしこの後阿蘇火山の活動は静穏化し、2017年2月には噴火警戒レベルが1に引き下げられた。そこで現在、観測点の再整備を行い観測再開の準備を進めている。火口の北側は現在も地震及び噴火の影響でマウントカー道路が寸断した状態でアクセスが困難な状況が続いている。そこで2017年3月初旬に、火口南側の砂千里内に送電用電線を敷設し人口電流送信点を新設した。また誘導磁場受信点(レシーバ点)については、従来は屋外にそのまま機材を設置する方法を採っていたが、今回の噴火でこうした観測点が機材ごと破壊された事を受け、火口近傍に設置されているシェルター内に観測点を作り、機材をそのシェルター内に設置する事を準備している。これにより、16年10月の規模の活動があった場合でも、データロガーなど主要な機材の回収、データの回収が可能な状態を目指している。同時に、無線LAN環境を構築し比抵抗の連続モニタリングを行う事を目指している。この為の機材の確保、シェルター使用に関した関係各所との調整など、準備を進めている。尚比抵抗連続モニタリングについてはH27年度補正予算(九州火山総合観測システム)により措置された予算も用いている。
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