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2015 Fiscal Year Research-status Report

血中循環腫瘍細胞によるがん個別化治療のためのバイオマーカー解析に関する研究

Research Project

Project/Area Number 26350557
Research InstitutionToyama Industrial Technology Center,

Principal Investigator

高田 耕児  富山県工業技術センター, 機械電子研究所, 主任研究員 (40530621)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 塚田 一博  富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (90171967) [Withdrawn]
嶋田 裕  京都大学, 大学院薬学研究科, 教授 (30216072)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords循環腫瘍細胞 / 癌 / マイクロ流体チップ
Outline of Annual Research Achievements

循環腫瘍細胞(CTC)は血液中を流れる癌細胞であり、癌の転移の原因の一つとも考えられている。このCTCを回収・解析することができれば、癌の検査・診断や患者一人ひとりに適した個別化治療等に応用することができる。平成26年度より本研究で細胞をサイズで分離するマイクロ流体チップを開発してきた。このチップは癌細胞を細胞懸濁液の形で回収できるので、回収した癌細胞の解析(免疫蛍光法、RT-PCR等を用いたバイオマーカー等の解析)や培養をするのに適している。
平成27年度は、開発したマイクロ流体チップにより血液中の赤血球及び白血球と癌細胞(赤血球及び白血球よりサイズが大きい)とをサイズで分離し、癌細胞を回収する実験を、複数種の癌細胞株を用いて行った。その結果、複数種の癌細胞株いずれの場合でも98%以上の高い癌細胞回収率を示した。また、回収液中の白血球(赤血球よりサイズが大きいため回収液に混入しやすい)の混入数は1mL当たり1000個程度であり、他のチームの結果と比べて大幅に少ないことが分かった。
また、別の方法として、癌細胞の表面マーカーに結合する抗体が付いた磁気ビーズを癌細胞に結合させて磁気で癌細胞を集める方法において、このマイクロ流体チップを用いて癌細胞に結合していないフリーの磁気ビーズ(大量に存在するため磁気で集める際に標的外の細胞等を巻き込む可能性あり)を除去する検討を行い、99.9%以上のフリーの磁気ビーズを除去できることを示した。
これらの結果により、今後臨床サンプル等を用いた実験、回収した癌細胞の解析等を進めることが可能となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初は表面に抗体を固定化したマイクロ流体チップを用いて捕捉した癌細胞の解析を行いつつ、捕捉した細胞の回収方法について検討する予定であった。しかしながら、分離した細胞について多様な解析を行うためには、細胞を懸濁液の形で回収できる方法が適しているため、平成26年度よりマイクロ流体チップの改良を優先して行い、平成27年度は複数種の細胞株を用いた実験等において開発したマイクロ流体チップの性能を確認することができた。これにより、今後臨床サンプル等を用いた実験、回収した癌細胞の解析等をスムーズに進めることが可能となった。

Strategy for Future Research Activity

これまでに開発してきたマイクロ流体チップを用いて、臨床サンプル等から癌細胞を分離・回収し、回収した癌細胞の解析を行う。癌の浸潤・転移と関係するバイオマーカーであるN-cadherin、Cadherin-11、EGFR等を対象として解析する。
解析法は免疫蛍光法とRT-PCR法を検討する。免疫蛍光法による解析では、回収した癌細胞を上記のバイオマーカー等に対する蛍光標識抗体と反応させ、蛍光顕微鏡によって観察する。複数種の蛍光標識を用いることで複数のバイオマーカーを同時に観察する。RT-PCR法による解析では、回収した癌細胞からRNAを採取し、RT-PCRまたは定量RT-PCRによって上記のバイオマーカー等の発現を調べる。
実際の臨床サンプルの循環腫瘍細胞(CTC)は培養した癌細胞よりサイズが小さい可能性があり、現状のマイクロ流体チップのサイズ分離のしきい値では、サイズが小さい癌細胞を取りこぼす可能性がある。その場合は、サイズが小さい癌細胞でも回収できるようにしきい値を変えたマイクロ流体チップを新たに作製する。そのようにしきい値を変えると、回収液に白血球が多く混入する可能性がある。その場合は、試料をマイクロ流体チップに通す前に、試料に白血球と結合する抗体が付いた磁気ビーズを加え、白血球と磁気ビーズとを結合させてからマイクロ流体チップに通し、回収液(フリーの磁気ビーズが除かれている)から磁気により白血球を除去する方法を検討する。または、マイクロ流体チップのしきい値はこれまでと同じにして、試料に癌細胞と結合する抗体が付いたビーズを加え、癌細胞をビーズと結合させてビーズの分だけ大きくして(しきい値を超えるようにして)からマイクロ流体チップに通す方法を検討する。

Causes of Carryover

当初は表面に抗体を固定化したマイクロ流体チップを用いて捕捉した癌細胞の解析を行いつつ、捕捉した細胞の回収方法について検討する予定であった。しかしながら、分離した細胞について多様な解析を行うためには、細胞を懸濁液の形で回収できる方法が適しているため、平成26年度よりマイクロ流体チップの改良を優先して行い、平成27年度は複数種の細胞株を用いた実験等において開発したマイクロ流体チップの性能を確認した。そのためこれまでは回収した細胞の解析等については本格的に行っていない。そして平成28年度に臨床サンプル等を用いた実験、回収した細胞の解析等を本格的に行う。細胞の解析のためには様々な試薬や抗体等を用いるため多くの費用が必要となる。その費用が平成26年度及び平成27年度は少なく、平成28年度に多く必要となるため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

細胞の解析のために必要な試薬や抗体などを購入する。また、マイクロ流体チップの製造、細胞培養、細胞分離実験に必要な消耗品、試薬等を購入する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2016 2015

All Presentation (1 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)

  • [Presentation] CTC sorting chips: polymer microfluidic chips for marker-dependent and -independent isolation of circulating tumor cells2015

    • Author(s)
      高田耕児、大永崇、長田拓哉、嶋田裕、塚田一博
    • Organizer
      第74回日本癌学会学術総会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場
    • Year and Date
      2015-10-08 – 2015-10-08
  • [Patent(Industrial Property Rights)] 細胞を分離する方法及び装置2016

    • Inventor(s)
      高田耕児、大永崇、小幡勤
    • Industrial Property Rights Holder
      富山県
    • Industrial Property Rights Type
      特許
    • Industrial Property Number
      特願2016-077717
    • Filing Date
      2016-04-08

URL: 

Published: 2017-01-06  

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