2015 Fiscal Year Research-status Report
霊長類コモン・マーモセットを用いた味覚ブレイン-マシン・インターフェースの開発
Project/Area Number |
26350592
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
薗村 貴弘 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40347092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 貴寛 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60314184)
松田 和郎 京都大学, 健康長寿社会の総合医療開発ユニット, 講師 (80444446)
本間 智 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40285581)
木南 利栄子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (60163672)
安高 悟 金沢医科大学, 医学部, 助教 (30139787)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 味覚 / juxtacellular Recording法 / ブレイン・マシン-インターフェース / 三次元再構築 / 中枢神経系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、味覚BMIの開発に向けた基盤研究として、よりヒトに近い実験動物として日本で積極的に使われているコモン・マーモセットに対して、最新の細胞外記録法として注目されているjuxtacellular recording法を用いることにより脳内の味覚地図を解明することを目指している。本年度は昨年度から引き続いて、まず、ラットの脳内味覚地図を解明することを念頭に、中枢神経系の中でも舌により近い抹消側の孤束核、結合腕傍核において何例かのjuxtacellular recordingを成功させ、現在、その詳細を解析した。本研究の最終目的でもある、将来的に美味しさを感じられる人工の舌を完成させるためには、「美味しさ」を感じる味覚の回路を解明する必要がある。しかし、比較的原始的な「生存のための摂食行動」を引き起こす味覚と、より高次機能としての「美味しさ」を感じる味覚は途中から分岐し異なる経路を形成している。現時点では、その分岐点とされる一次味覚野や島皮質以降の味覚脳内回路はあまり分かっておらず、美味しいと感じる味覚地図の多くはほとんど空白のままである。そこで、現在、高次認知と情動とを統合する役割を持つ「島皮質」を美味しいと感じる味覚回路の重要ポイントと位置づけて、その先の解析を進めつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、ラットの脳内味覚地図の解析に予想外に時間がかかり、コモンマーモセットを使った実験を立ち上げるまでに至っていない。次年度以降、確実にマーモセットを用いた実験を立ち上げ、確実にデータの蓄積を行っていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的でもある、将来的に美味しさを感じられる人工の舌を完成させるためには、「美味しさ」を感じる味覚の回路を解明する必要がある。しかし、比較的原始的な「生存のための摂食行動」を引き起こす味覚と、より高次機能としての「美味しさ」を感じる味覚は途中から分岐し異なる経路を形成している。現時点では、その分岐点とされる一次味覚野や島皮質以降の味覚脳内回路はあまり分かっておらず、美味しいと感じる味覚地図の多くはほとんど空白のままである。そこで今後は、高次認知と情動とを統合する役割を持つ「島皮質」を美味しいと感じる味覚回路の重要ポイントと位置づけて、その先の解析を進めつつある。また、今後、よりヒトに近い霊長類のコモン・マーモセットを用いて島皮質から先の味覚神経細胞に対して単一神経細胞レベルでの追跡を行い、「美味しさを感じる」脳内味覚地図を探索する予定である。
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