2016 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of pre-conditioning intervention induced alleviating of dysfunction and brain damage after cerebral infarction or dementia.
Project/Area Number |
26350610
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石田 和人 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (10303653)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / 予防 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度において確立することができた新しい脳梗塞マウスモデルを用いて、運動による脳梗塞発症後障害軽減効果を示すとともに、その作用機序に関して、梗塞部周辺領域におけるアストロサイトの活性化と、虚血耐性を増強するための重要な因子である低酸素誘導因子-1αの発現に着目して検討することができた。 12週間のトレッドミル運動(20 m/min、50分/日、5日/週)により、梗塞体積が減少し、本モデルの特徴である感覚機能障害の軽減が認められた。また、免疫組織化学染色により梗塞部周辺領域においてアストロサイトに発現するHIF-1α増加を認めた。一方、ウェスタンブロッティング法では、脳梗塞発症により、タンパク質発現量の有意な増加が認められたが事前運動の効果を示すには至らなかった。以上より、事前の運動が梗塞部周辺領域におけるアストロサイト活性を促進し、アストロサイトによる神経保護作用の増加がその作用機序として関与する可能性を示した。 一方、当初研究計画に示していたアポリポ蛋白E4ノックインマウスに対する事前運動の効果については、6週間のランニングホイール運動による記憶機能悪化防止効果を示すことができたが、その機序に迫る解析には至らなかった。 以上より、継続的な運動が脳梗塞および認知症の発症後にみられる障害を軽減する効果を見出すことを明らかにし、予防効果として示すことができた。特に、脳梗塞発症時に障害予防効果として、アストロサイト自体の活性化およびアストロサイトに発現する低酸素誘導因子-1αが重要な役割を果たすことが示唆された。
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Research Products
(7 results)