2014 Fiscal Year Research-status Report
虚血モデルマウスにおける血管新生や酸化ストレスから見た運動やビタミンC摂取の影響
Project/Area Number |
26350623
|
Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
丸岡 弘 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80325985)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 理学療法学 / 血管新生因子 / 運動 / 虚血モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
【諸言】生体には虚血に応答して血管を新生させる反応が内在し、運動や酸化ストレスなどの関与が考えられる。本研究はこの生理的反応を増強させうる運動について明らかする。【目的】右大腿動脈結紮(結紮)後の運動により血管新生因子などの経時的な変化について検討する。【対象と方法】対象は野生型マウス(C57BL/6NCrSlc)82匹を用い、無作為に9群に区分した(結紮と運動の有無、運動期間の違いにより区分)。全群は12週齢から開始し、と殺を運動期間1week(1W):13週齢、3week(3W):15週齢、6week(6W):18週齢で実施した。運動は外科的処置(処置)2日後より開始した。皮膚温はサーモグラフィーを用い、処置後1週間毎に測定した。血管新生因子はリアルタイムPCR法によりmRNA 発現量(VEGF-aやHIF-1αなど)の分析を行った。酸化ストレス度(d-ROMs test)や8-OHdGなどは、フリーラジカル自動分析装置などにより分析を行った。【結果】(1)運動期間の違いによる影響 皮膚温は結紮により継時的に有意な低下を認めた。HIF-1αは3Wで結紮+運動有群、結紮+運動無群がSham群と比較して有意な高値を認めたが、VEGF-aなどは有意差を認めなかった。酸化ストレス度は1Wと3Wで結紮+運動有群がSham群と比較して有意な高値を認めたが、8-OHdGでは有意差を認めなかった。(2)6Wにおける血管新生の検討 促進因子のPGC-1αとIL-6は、結紮+運動有群がSham群と比較して有意な高値に対して、抑制因子のendostatimでは有意な低値を認めた。【結論】マウス下肢虚血モデルにおいては、酸化ストレス度の変化が1Wより認められ、HIF-1αでは3Wにおいて高値になることが示された。また、6Wの運動により毛細血管の促進因子と抑制因子とのバランスが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血管新生因子の発現を明確にするためには、組織切片を調整し免疫組織化学染色法によって検出する必要がある。今回、免疫組織化学染色法の分析に時間を要してしまい、当初の計画よりデータの取得が若干遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策 組織切片による免疫組織化学染色法により、運動により誘導されるanti-VEGFやCD31の検出と分布動態について検討する予定である。
次年度の研究費の使用計画 当該年度は、備品や実験試薬等の購入済みのため、残額を生じていない。また、平成27年度は交付申請書の計画に沿った使用を予定している。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額では、必要な試薬の購入が不可能であったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度の研究計画を踏まえ、必要な試薬を購入予定である。
|
Research Products
(2 results)