2015 Fiscal Year Research-status Report
リハ治療効果を脊髄で評価する基盤研究: In vivoパッチクランプ法を用いて
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26350646
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
土井 篤 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (60619675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 恵 熊本保健科学大学, 生命科学研究科, 教授 (10140641)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | キャスト固定マウス / 膝関節の可動性 / 足関節の可動性 / 行動評価 / 脊髄後角 |
Outline of Annual Research Achievements |
キャストによる右後肢膝関節固定マウスに対して、固定期間中に足底部への振動刺激を与えた群(振動刺激群)と与えなかった群(コントロール群)の差を検証した。2週間と6週間のキャスト固定を比較すると、6週間固定の方が2週間固定に比べ、膝関節伸展可動性により制限が見られたものの、振動刺激群はコントロール群とでは膝関節の可動性に何ら影響がなかった。また足底部の感覚閾値を測定すると、コントロール群において若干の感覚閾値上昇が観察されたが、振動刺激群と比較しても統計学的有意差は無かった。しかしながら40秒間の自由歩行において、振動刺激群はコントロール群よりも総歩行距離(p < 0.05)、最大歩行速度(p < 0.05)及び平均歩行速度(p < 0.05)の値が多かった。また、自由歩行における方向転換の方向において振動刺激群はコントロール群に比べ、より左回りの可能な例が多かった(p < 0.05)。自由水泳において、水泳距離、最大水泳速度及び平均水泳速度に差はなかったが、振動刺激群はコントロール群に比べより真直ぐ及ぶ割合が多かった(p < 0.05)。自由歩行における足跡分析を行なうと、遊脚相と立脚相の割合に差は認められなかったが、振動刺激群のほうがより広い足裏面で床に接地していた(p < 0.05)。 それらの一連の行動における変化は、振動刺激群とコントロール群における右足関節背屈可動性の差として現れていた(p < 0.05)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初はvon-Fleyフィラメント法を用いて感覚検査を行う予定であったが、電気刺激装置による痛覚閾値評価をマウス覚醒下で繰り返し実験することができるようになったので、電気刺激装置を利用して感覚閾値の評価を行なった。キャスト抜去後の関節可動性評価、行動様式の変化についてはほぼ実験が終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
感覚刺激や運動刺激に対する神経応答を麻酔下での脊髄後角で記録する。単一神経細胞応答のみならず、脊髄後角上での細胞外記録法も併用することで、健側(左)とキャスト側(右)での感覚刺激や運動刺激に対する神経応答を比較することが出来る。また即時効果としての振動刺激の効果も脊髄後角レベルで検証する。
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Causes of Carryover |
解析装置powerlab16/35の代わりに実験に必須なマウス固定装置とスライサーを購入した。その差額分が次年度使用額として生じた理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は論文作成に関する費用、実験に必要な薬剤や動物購入に必要な費用が生じる予定である。
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Research Products
(3 results)