2016 Fiscal Year Annual Research Report
Estimating the effect of fall prevention exercise in elderly persons from the view point of muscle synergy and tendon reflex
Project/Area Number |
26350669
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Research Institution | Fuji University |
Principal Investigator |
金子 賢一 富士大学, 経済・経営システム研究科, 教授 (50337177)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 表面筋電図 / 筋シナジー / 老化 / ウェーブレット解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度が本研究期間の最終年度にあたるため,これまで得た研究成果を広く公開・発信するため,アメリカ合衆国シカゴで行われた国際会議(XXI ISEK Congress: XXI Congress of the International Society of Electrophysiology and Kinesiology)で研究発表を行い,海外の学術論文誌へ論文の執筆・投稿を行った.レビューアーからの指摘を受けて,追加実験と追加的な統計解析を行うことで,結果に対する考察を深めた. 本研究課題をさらに発展させる形で,ぺダリング運動中の膝伸展・屈曲運動を一連の連続的(ダイナミック)な運動と捉える分析を行った.外側広筋,大腿二頭筋,前脛骨筋,腓腹筋から計測した表面筋電図信号にウェーブレット解析を施すことで,運動のトランジションポイント(変移点)前後の連続的な周波数変動を捉える事に成功した.膝伸展運動では大腿二頭筋と腓腹筋が,膝屈曲運動では外側広筋と前脛骨筋がそれぞれ中心的な活動を担っているが,活動している筋電図信号の周波数成分の割合を両者で比較してみると,トレーニングを受けた被験者の腓腹筋の活動を除き,膝伸展運動の位相では膝屈曲運動の位相よりも,より低周波数帯域を含む筋活動が行われている様態が明らかとなった.これらの研究結果は,歩行に関連するヒールコンタクト前後の下肢筋群の活動様式に類似していることから,今後,ぺダリング運動と歩行運動との動的な筋活動を比較することで,下肢筋群の基礎的な活動メカニズムにより深く迫ることが可能となろう.
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