• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Research-status Report

介護・治療へのフィードバックを目指した半固形化栄養剤の調製とその物性評価

Research Project

Project/Area Number 26350671
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

淺香 隆  東海大学, 工学部, 教授 (50266376)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords半固形化栄養剤 / 濃厚栄養剤 / 非加熱型凝固剤 / 化学反応 / 復水 / 離水 / 粘度 / かたさ応力
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、半固形化栄養剤調製時の粘度急変や離水といった問題の発生要因を探求することを目的に、「脱水加工により化学反応を停止」し、復水後の物性変化や離水状況を定量的に解析して、よりよい調製情報を患者とその家族、医療関係者へ提供・発信することを目標としている。
平成27年度は、市販の濃厚栄養剤3種類(アイソカルRTU、CZ-Hi、メイバランス1.0)と非加熱型凝固剤(リフラノン(液状)ならびにリフラノンパウダーPG(粉末状))を組み合わせて半固形化栄養剤を自己調製し、各種物性を評価した。結果、半固形化栄養剤の粘度(ずり速度=2毎秒)は凝固剤の種類によらず、栄養剤アイソカルRTU<CZ-Hi<メイバランス1.0の順に高くなった。また、凝固剤の種類と粘度の関係は全般にリフラノンパウダーPG<<リフラノンとなった。自己調製後の粘度の時間推移を調べると凝固剤の特徴が現れ、リフラノンでは調製後1時間、リフラノンパウダーPGでは調製後2時間で粘度は最高となり、いずれの粘度もその後は徐々に低下した。
一方、かたさ応力は栄養剤基準・凝固剤基準共に粘度測定結果と同様な結果が得られたが、調製後よりかたさ応力は時間と共に単調に微増した。
さらに、脱水加工による化学反応の停止を目的に、リフラノンにて半固形化した3種類の栄養剤を-80℃で24時間予備凍結後、24時間真空凍結乾燥を行った。結果、得られた凍結乾燥体の水分残存率は栄養剤の種類によらずほぼ5mass%となった。一例として、メイバランス1.0とリフラノンの組み合わせで調製・真空凍結乾燥したものへ脱水量に相当する水を加えたところ、自己調製後の経過時間の差違により復水前(調製時)・後の粘度が一致しなかった。さらに実験結果より短時間では十分に復水(吸水)されないこと、あるいは復水時に時間経過と共に化学反応が進行していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成26年度の購入設備である「スプレードライヤーシステム」の導入を平成27年度(本年度)へ見送ったこと、さらに実験室設備の準備や改修等の事情により、「スプレードライヤーシステム」の納入が2016年3月中旬となった。そこで、本年度は真空凍結乾燥器(現有設備)を利用して、市販の濃厚栄養剤と非加熱型凝固剤を組み合わせて調製した半固形化栄養剤の物性評価を行ったところ、凝固剤と濃厚栄養剤との組み合わせをはじめ、調製後の経過(保存)時間などのパラメータが半固形化栄養剤の物性に大きく影響を与えることが明らかとなった。
現在まで短期間ではあるが非加熱型凝固剤を用いて濃厚栄養剤を半固形化し、「スプレードライヤーシステム」(本年度購入設備)を利用して脱水・粉末化する予備試験を進めている。予備的な結果ではあるが、得られた乾燥体の水分残存率は約10mass%であった。
以上の結果、真空凍結乾燥法とスプレードライ法では乾燥体の水分残存率に差違はあるものの、脱水し乾燥体を得る工程は真空凍結乾燥法では48時間必要であるのに対し、スプレードライ法では約1時間と時間の短縮が図れる一方、スプレードライ法では乾燥体(粉末)の回収ならびに器具・部品類の洗浄・乾燥に手間と時間がかかる等、研究計画時には想像できなかった点も判明している。
今後は「研究実績の概要」にて前述したことと同様に、「スプレードライヤーシステム」を利用して脱水・粉末化した試料についても復水し、各種物性を評価しながら粘度急変や離水といった問題の発生要因を探求してゆく予定である。

Strategy for Future Research Activity

前述したように、最終年度である平成28年度は非加熱型凝固剤を用いた半固形化栄養剤の調製を主とし、平成28年度は平成27年度までには実施できなかった「スプレードライヤーシステム」を利用した半固形化栄養剤の直接乾燥を行うことにより、脱水して「化学反応(ゲル化)を停止」し、つづいて復水を行い、種々の物性評価を通して化学反応や離水等の要因を明らかにする予定である。

Causes of Carryover

助成金を申請した際の購入設備の金額よりも製造メーカーの努力・ご協力により装置価格が低減されたこと、また、これまでに旅費や人件費等の支出はなく、装置導入に伴う消耗品類を購入した結果、367,575円の次年度使用額(未使用残額)が派生した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

現状での未使用額は367,575円であり、平成28年度の交付予定額は50万円であることから、これらを合算すると867,575円となる。平成28年度は実験用消耗品として原料ならびに物性測定用部品類の購入に約40万円、また海外における半固形化栄養法の臨床適応調査として国際会議(ESPEN)参加のための外国旅費として約30万円、そして論文校閲ならびに投稿費用として約15万円を計上・充当する予定である。

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi