2014 Fiscal Year Research-status Report
幼児期の運動遊びのプログラム研究 -「幼児期運動指針」を手掛に-
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26350733
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
口野 隆史 京都橘大学, 人間発達学部, 教授 (60192027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 憲子 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (00301721)
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
黒川 哲也 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50390258)
鐘ケ江 淳一 近畿大学九州短期大学, 保育科, 教授 (90185918)
續木 智彦 西南学院大学, 人間科学部, 講師 (60468791)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 運動遊びのプログラム / 幼児期運動指針 / 運動発達のつまずき / 発達段階 / 運動発達の樹系図 / 発達の節目 / 遊びの発達 / 人との関わりの発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は『現代の子どもの環境や状況に合わせた幼児期の運動遊びのプログラムを作成する』とした。この研究目的を明らかにするために、以下の3つの下位目的を明らかにしつつ、この研究目的に迫ろうと考えた。その際“幼児期運動指針”を参考にしながら検討するとした。下位目的①「幼児期の運動学習におけるつまずきを発達段階とともに明らかにする」、下位目的②「幼児期に運動学習の際の『わかる』を発達段階とともに明らかにする」、下位目的③「園庭の狭い保育園等における幼児の運動遊びの実態を明らかにする」。 人間の運動発達は、まず頭の動きの確保に始まり、徐々に頭部から末端に向かい動作ができるようなる。それは木の幹から枝が分かれるように、樹状に運動発達が進んでいくと考えられる。2014年度はこのような運動発達の「樹系図」を手掛かりに、【発達の節目】【遊びの発達】【人との関わりの発達】のような様々な発達との関連を探ろうと考えた。この樹系図に年齢順に他の発達の様子を並べ、何が運動の発達と関わりが深く、乳児・幼児の運動のつまずきとの関係があるのかを探ろうと考えた。 このようなことを視野に入れつつ、2014年度は具体的には以下の点などについて明らかにした。1つめは、日本の幼児の運動発達の現状を、最も運動能力の高かったと言われてる1980年代と比較し把握すること。2つめは、諸外国と比べ、日本の保育園の園庭の広さはどのような状況にあるのか。3つめは、日本の狭い保育園での子どもたちの運動遊びの状況やその特徴。そして、4つめは、このような現状を改善しようとして提案された“幼児期運動指針”の特色を把握すること。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究においては、実際の保育園、幼稚園での幼児の観察や調査が必要である。観察や調査を通して全てがわかるわけではないが、具体的に何をどこまで観察・調査するのか、まだ十分に検討ができていない。そして、観察や調査をスタートさせるには、ある程度のスタッフ(人員)が必要となるが、そのスタッフが確保できる時期とそうでない時期があったりする。また、調査に協力してくれる保育園、幼稚園もあるが、それが遠方であったり、園児数が多すぎたり少なすぎたり、こちらの観察や調査をしたい時期と先方の都合の良い時期が合わなかったりなどの場合がある。今のところこれら、諸々の条件がうまく整わず、やや遅れた状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
先の【現在までの達成度】でも述べたように、まず第1に何をどこまで観察・調査するのか、より具体的に明らかにする必要がある。昨年提出の申請書にも記載したように、保育園・幼稚園で以下のことなどを具体的に観察・調査を試みたい。例えば、園庭にビデオカメラを設置し、幼児らの運動遊びの様子を記録する。幼児らには年少、年中、年長で色の違う帽子をかぶってもらい、それぞれの年齢の動きの違いを分析する。その際“幼児期運動指針”に示されている28個の基礎的な動きの出現状況はどのようであるかなどを記録する。 その時同時に、保育者らがどのような言葉掛けをしているのか、運動や動きのアドバイスに関わるようなものを記録していく。また、子どもたちは何人ぐらいの集団で遊んでいるのか、年齢による違いなどを記録する。 これらのデータから、子ども運動発達の実状や運動学習におけるつまずきを把握し、幼児の運動遊びのプログラムづくりの基礎資料としていきたい。
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Causes of Carryover |
2014年度は研究会を実施し、学会発表を行い旅費に多くの予算を使用した。しかしまだ【現在までの達成度】で述べたように実際の保育園や幼稚園での観察・調査を実施できていないため、それにかかる予算を十分使用できていない。また、メンバーの1人が在外研究中で海外にいたため、予算の使用が難しい状況もあった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度は、昨年同様研究会も実施し学会へも行く予定である。そして実際に保育園や幼稚園に行き、観察・調査を実施していきたい。前年度使用しなかった予算は、今年度保育園や幼稚園での観察・調査における交通費、調査費、謝金などに使用する予定である。
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Research Products
(3 results)