2014 Fiscal Year Research-status Report
児童の学力、体力、身体組成の向上に寄与する生活習慣と活動量を解明するコホート研究
Project/Area Number |
26350844
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
峰松 和夫 順天堂大学, 医学部, 助教 (60622644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛奈 卓郎 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (60509678)
冨田 洋之 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (90570010)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 児童 / 生活習慣 / 学力 / 体力 / ストレス / 身体組成 / 睡眠時間 / 朝食欠食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2つのステージに分けて調査・研究している。ひとつは、児童の生活習慣、活動量、身体組成、学力、体力、メンタルの関係を横断的に評価するもので、これが今年度(平成26年度)にあたる。もうひとつは、次年度の同時期に、同児童に同調査を行うとするものである(平成27年度)。児童の日々の食を含めた生活習慣が活動量を介して、成長期の身体組成、学力、体力、メンタルにどう関連しているかを横断的かつ縦断的に評価・研究することを目的としている。平成26年度は、まず4月に採択通知を受けた後、速やかに順天堂大学医学部研究等倫理委員会へ研究倫理の申請を行い、5月末には承認を得た。その後、対象小学校校長の依頼も受けて、小学校全教職員へ研究概要の説明と協力要請を行い、対象となる児童および保護者へは、書面による調査の説明とインフォームドコンセントを実施し、同意の得られた児童のみを調査・計測の対象とした。同年6~7月、質問票により食を含めた生活習慣とメンタルの調査を集合調査法で学級別に実施し、活動量計を24時間連続装着してもらい、登校日(月~金曜日)と休日(土・日曜日)、学校生活と家庭生活とを区分できる身体活動量を1週間分計測した。また、小学校に生体インピーダンス法による体組成測定装置や超音波式の骨強度測定装置を搬入し、筋肉量や体脂肪量、骨強度などの身体組成も計測した。学力(国語・算数)と体力(新体力テスト8項目)の成績は、小学校より提供を受けた。今年度の横断的なデータ解析の結果、児童の睡眠時間の長さと国語および算数の成績には正の相関関係が確認された。また、睡眠時間の長さと児童のストレス反応(怒り・疲労感・ひきこもり感)には、負の相関関係が確認されている。さらに、朝食を毎日食べる者のストレス反応は、朝食を週に2~3回食べるまたはまったく食べない者と比較すると有意に低いことなどが確認されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究期間は、初年度(ベースライン・横断研究)と次年度(フォローアップ・横断研究と縦断研究を兼ねる)の2つのステージに分けられるが、平成26年度は初年度のベースライン研究を順調に遂行できている。研究計画当初、児童のメンタル面の評価は視野に入れていなかった。研究採択となり、対象小学校教職員との打ち合わせの段階で、児童のメンタル面の評価は、学力、体力、身体組成に強く影響を与える重要な因子である指摘を受けて、測定項目に追加された。測定項目は計画時より多くなっているが、問題なくデータを得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、次ステップであるフォローアップ期間にあたる。平成26年度に対象となった児童に同調査を実施し、データが得られれば、横断研究かつ縦断研究として、多元配置分散分析(学力および体力に有意な生活習慣因子を検討する)、共分散構造分析(学力、体力、身体組成、メンタルの向上に寄与する生活習慣と活動量を構造的に検討する)、ROC解析(日本肥満学会による小児肥満基準(体脂肪率:男子25%、女子30%)や新体力テスト(Cランク)をカットオフ値とした日々の生活で活用できる新たな提言を目指し解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、児童の活動量を計測する活動量計を国立健康・栄養研究所より借用することができた。また、解析のためのパソコンや統計ソフトも既存のものを利用することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、所属先変更に伴い、測定機器、解析のためのパソコン、調査・測定時の消耗品や備品の購入、統一したデータ入力のための人件費の計上を計画している。
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