2015 Fiscal Year Research-status Report
カテスタチンの多型を指標としたメタボリック症候群の分子診断法と新規治療法開発
Project/Area Number |
26350881
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹越 一博 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40261804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 由夫 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00375461)
島野 仁 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20251241)
前田 清司 筑波大学, 体育系, 教授 (30282346)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | カテスタチン |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人の40以降の肥満の割合は増加しつつあり、特に男性は3人に1人がBMI25以上の肥満であり、それに伴いメタボリックシンドローム(MetS)の増加が懸念される。一方、早期診断や病態診断に有用な 分子マーカーはほとんど知られていない。最近、catestatin(CS)の多型CST364SがMetSのマーカーとなる可能性が外国より報告されている。アメリカでcatestatinの多型CST364S と血圧低下(Circulation. 2007;115(17):2271-81)およびインドで中性脂肪・血糖上昇(J Biol Chem. 2012 ;287(52):43840-52)との相関が報告されMetSの分子マーカーとして有望視されている。一方、日本人におけるcatestatin(CS)の多型については全く不明である。[結果]①日本人343名におけるCatestatinの G364S多型の頻度は、6.1%( MAF; minor allele frequency )であった。→地理的、民族的背景な差がありインド8.0% 南カルフォルニア3.1の中間であった。②先行研究と異なり、他の多型は検出されなかった。③Gly/Ser多型を有する人は、Gly/Gly型(野生型)を有する人に比べてSBP(収縮期血圧)が 138.2±2.7 と 132.0±1.1 (p=0.040)に比較して有意に上昇していた。④Gly/Ser多型を有する人は、Gly/Gly型(野生型)を有する人に比べて PP(脈圧)が56.1±1.9 と 51.7±0.7 (p=0.021)に比較して有意に大きかった。 ⑤baPWV(脈波伝搬速度;動脈硬化の指標)が1696.9±60.1と 1588.4±17.8 (p=0.017)比較して有意に亢進していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脈波伝搬速度の亢進は動脈硬化の進行を表しており、日本人ではG364Sは血圧上昇を介した動脈硬化の進展が疑われる。
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Strategy for Future Research Activity |
catestatin(CS)のCST364S多型とMetS関連表現型の相関の確立→さらに大規模な(被験者が1000人程度)を用いたreplication studyを予定
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