2017 Fiscal Year Annual Research Report
The relationship between exercise intensity, time, dehydration and thrombus formation mechanism and the influence of aging on that relationship.
Project/Area Number |
26350900
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
石指 宏通 奈良県立医科大学, 医学部, 教育教授 (50260807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 運動強度 / 運動時間 / 加齢 / VWF / ADAMTS13 |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツ活動時にみられる血栓形成に影響を及ぼす因子を定量する目的で、異なる運動強度、運動時間ならびに脱水率を設定し、血栓形成関連因子(VWF:「向」血栓因子・ADAMTA13:「抗」血栓因子)との関連性について検討を行ってきた。その結果、運動時の血栓化傾向を示すVWF/ADAMTA13(「向」血栓因子に対する「抗」血栓因子の割合)は運動時間や脱水率よりも運動強度に影響され、血栓傾向が著増する運動強度閾値(55%VO2max)の存在することが明らかにされた。 今回は、これまで若年者で得られた運動強度と血栓形成との関連性の加齢の影響について、日頃から運動習慣のある中高年者を対象に若年者と比較検討した。至適運動強度である軽強度(40%VO2max)における血栓形成関連因子の変化をみると、「向」血栓因子であるVWFは中高年者vs若年者で運動前(102.4±16.2%vs93.3±21.2%)、運動後(118.3±19.6%vs後108.2±23.9%)とも中高年者が高値を示したが、両群間に有意な差は認められなかった。運動前後の変動についても中高年者で15.9%、若年者で14.9%と両群とも15%程度の微動にとどまる結果であった。また、「抗」血栓因子のADAMTS13の変化についても、中高年者vs若年者では運動前(121.6±10.8%vs118.3±11.6%)、運動後(122.6±8.5%vs117.4±8.3%)とも両群間で差はみられなかった。次に、血栓化を示す運動後のVWF/ADAMTA13は両群ともADAMTS13 がVWFを上回る結果であり、中高齢者で0.96、若年者で0.92と血栓傾向を示すものではなかった。 これらの結果から、運動習慣のある中高年者においては至適強度での運動時にみられる血栓形成には若年者と顕著な相違はみられず、加齢の影響を受けていないことを示唆するであった。
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