2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical developmental study in the association between peer-related development and bullying outbreak of the child
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26350929
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小林 勝年 鳥取大学, 地域学部, 教授 (30326623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 千枝 東北学院大学, 文学部, 准教授 (00412916)
田中 大介 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (20547947)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 仲間意識 / SCT / 日ロ比較 / いじめ予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
学校におけるいじめの発生要因については、被害生徒―加害生徒双方のパーソナリティーをはじめ加害生徒の規範意識の欠如や被害生徒のヴァルネラビリティなど社会適応性の発達課題が指摘される一方で、学校風土や学級経営など子ども集団をめぐる構造的問題や異質なものを排除するという同調圧力が個人攻撃へと変質してしまう「いじめ許容空間」の生成を指摘する集団的ダイナミズムに関する仮説など様々にある。しかしながら、すべての「いじめ」は友達・仲間関係における歪み現象として再定義するならば、仲間関係の生成・発展プロセスにおける基本的条件やその背景あるいは多様性の検討こそ予防的働きかけの実効性を高めることに繋がろう。そこで、最終年の研究としては、学校・クラスにおいて同調圧力が高いとされる日本とリーチノスチ(個人主義)の意識が非常に高いと指摘されるロシアの子どもたちの意識調査をすることによって、改めて友達・家族・学校等に関する意識の比較よりいじめ発生のリスクを予測したいと考えた。調査研究協力校については、ロシア側はW学校3年~10年生(316名)、日本側はF小学校3年~6年生270名、A中学校1年~3年373名とし、鳥取大学地域学部研究倫理委員会の承認を得て実施された。調査内容としては文章完成テスト(sentence-completion test)を小林が研究目的に照らして独自に開発したものを用い、直接双方の学校に出向いて実施手順等について説明を行なった上で、その後回収するという手続きで進められた。現在、回収されたデータを鋭意分析中であるが、ロシアの子どもにおいては好きなことや興味のある活動が多様に分布していることや学校への意識より友達・家族への思いが圧倒的に高く親密度の濃い人間関係が求められているが、日本の子どもは学力への劣等感や競争意識が強く広範囲な人間関係への適応が迫られていることが推測された。
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