2014 Fiscal Year Research-status Report
女性大統領と女性の政治的代表性:韓国の朴槿惠を中心に
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26360042
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
申 キヨン お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 准教授 (00514291)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 女性大統領 / 国際情報交流 / ジェンダー / 政治的代表性 / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
韓国の初の女性大統領の誕生を迎え、女性大統領が誕生した政治過程について考察した。分断国家であるがゆえに安全保障が国のリーダのもっとも重要な資質として求められる韓国では、軍隊の経験のない「女性」が国のリーダになることは極めて厳しい構造的条件を持っている。にもかかわらず、2012年の大統領選挙でPark Geun Hyeが男性候補者を破り、初の女性大統領になれた理由はなぜなのか。今年とは特に彼女の政治家としての特殊な個人史と両候補者の大統領選挙のジェンダー戦略を中心に分析した。 その結果をEuropean Consortium for Political Research Joint Sessions Workshop (2014年4月, Salamanca, Spain)で報告した。報告タイトルは"Gender and Political Representation in the 18th Presidential Election in South Korea: A Case of the First Female President Park Geun Hye"である。 また、2014年8月にはヴェニス国際大学のワークショップで日韓における女性の政治的代表性の拡大のため女性たちはどのような戦略を取ってきたのかを比較検討した報告を行い、その成果は2015年Palgrave McMillanから編著(Gender and Politics: Towards Equality and Democratic Governance, edited by Mino Vianello and Mary Hawkesworth) として出版される予定である。論文のタイトルは、"Women's Mobilizations for Political Representation in Patriarchal States: Models from Japan and South Korea"である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。分析のための韓国語の資料や各種論文収集を行った。また、ソウルへの出張を実施し、関係者とのインタビューも行ったほか、海外学会での報告も予定通りに行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は後期から在外研究を実施することになり、10月~12月までソウルに滞在する計画である。そのため、当初の研究計画を実施するに特段の困難はないと思われる。ソウル市の延世大学の国際学研究所に所属しながら現地の研究者らと女性運動関連者と幅広く交流する予定である。また、韓国語の資料も引き続き収集分析することを計画している。 来年度の主な研究内容と方法として、任期の中間を超えた初の女性大統領の「女性」としての代表性について評価することを目的としている。任期中これまでのメディアの反応、政策の特徴に関する資料の収集やインタビュー実施を集中的に行う予定である。また、前年度の学会で報告した論文を修正し、投稿論文として英語圏の学術雑誌に投稿することを試みる。 さらに、在外研究を始める前に、海外の研究者を招聘し、ワークショップを実施する予定である。
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Research Products
(3 results)