2015 Fiscal Year Research-status Report
カンボジアのチャム人ムスリムのクルアーン理解-翻訳と解釈の展開ー
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26370069
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
大川 玲子 明治学院大学, 国際学部, 准教授 (50434189)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イスラーム / クルアーン / コーラン / チャム / カンボジア / チャムパ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は文献や資料の収集、それらの講読、データ作成を継続した。 さらに「チャム人の失われた呪術書をめぐって〈前編〉ーカンボジアのマイノリティ・ムスリムの現在ー」『国際学研究』48号と「チャム人の失われた呪術書をめぐって〈後編〉ーカンボジアのマイノリティ・ムスリムの現在ー」『国際学研究』49号において、研究の成果の一端を刊行した。 これらの論考においては、チャム人ムスリムが日常生活において呪術的な力に頼る際、どのようにクルアーンの文言が用いられるかも言及されている。概して、男性呪術師は師について学んでいるため、マレー経由のイスラーム呪術を習得し、その過程でクルアーンの知識を獲得し、それを呪術として用いている。対して、女性呪術師は師につかずに独学に近い知識の習得プロセスを経ており、クルアーンの知識を用いることは少ないと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
育児休暇を取得したこともあり、現地調査の進み具合が遅れている。 2016年度(平成28年度)において現地調査を行い、当初の計画を完遂する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査を行い、調査研究の内容をできるだけ早めに公表する。 現地調査は夏と冬に行い、カンボジアでチャム人のクルアーン翻訳作業に関わったチームのメンバーからの聞き取り調査を中心に進めることを計画準備中である。 また研究の公表に関しては、原稿の準備と出版社からの刊行の計画を進めているところである。
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