2016 Fiscal Year Annual Research Report
The Comparative Study of Teaching Method and Teaching Material Selection According to the Piano Learner's Circumstance
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26370156
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
松永 加也子 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20344541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 貴雄 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00322868)
水田 香 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30133789)
野呂 佳生 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40237897)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 各国の事情 / ニーズ / ペダゴジー / 個人 / ピアノ指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度に調査を行ったヴュルツブルク音楽大学での研究成果を北海道教育大学研究紀要に野呂、水田、松永、寺田の共著で「ヴュルツブルク音楽大学におけるピアノ指導法-Igne Rosar教授のグループレッスン及び実践演習より-」として、ミシガン大学および周辺での調査成果を、著書『芸術・スポーツ文化学研究3』に松永の単著で「アメリカ中西部におけるピアノ指導の視察報告-ミシガン大学の調査を中心に-」としてまとめ、発表した。さらに総合的なまとめのためアメリカ西海岸エリアの調査を行い、平成29年度中の北海道教育大学研究紀要に調査結果をどのように日本のピアノ指導に生かすかという視点で、調査結果を発表する予定である。 本研究では平成26年からの3ヵ年で、これまで情報が入ってこない国々でのピアノ指導方法、ペダゴジーに関わる研究、教則本を調査しまとめた。具体的には、ノルウェーのグリーグアカデミーと公立音楽スクール、フィンランドのシベリウスアカデミーと公立音楽スクール、ドイツのブランデンブルク工科大学ピアノ教育コースとヴュルツブルク音楽大学、ミシガン大学とシカゴのメリット音楽スクール、カリフォルニア大学ロサンゼルス校とカリフォルニア芸術大学、さらにコルバーン音楽スクールを取材した。各国のそれぞれの事情や情勢が、そのままピアノ指導にも影響を与え、独自の状況に応じたピアノ指導が展開されていることが明らかになった。各国と比較して、日本のピアノ指導は優れている点も多い。優秀な若手奏者は多数輩出するし、指導者の研鑽、教則本の開発など、世界的に見てもレヴェルが高い。しかし、専門家を目指すのではないピアノ指導における様々な学習者側のニーズにあわせた指導を行うためには、学習者個人の状況を把握し対応を研究することの有意性が、現在の日本でも示されるべきである。
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Research Products
(2 results)