2015 Fiscal Year Research-status Report
源氏物語の新たな本文関係資料の整理とデータ化及び新提言に向けての共同研究
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26370212
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
豊島 秀範 國學院大學, 文学部, 教授 (90133272)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 源氏物語 / 河内本 / 平瀬家本 / 七毫源氏 / 岩国市吉川家本 / 青表紙本 / 別本 / アメリカ議会図書館本 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題の「源氏物語の新たな本文関係資料の整理とデータ化及び新提言に向けての共同研究」に即して、「末摘花」と「紅葉賀」の両巻を対象に、「1.新たな本文の翻刻」、「2.主要な本文10本を視覚的に容易に比較・確認の可能な本文対校の作成と、そのデータ化」をおこなった。 さらに、連携研究者などと共に「源氏物語の本文資料に関する共同研究」として、それぞれが研究課題としている研究について、平成27年12月19日に、國學院大學において公開の共同研究会を開催し、以下の題目で発表した。豊島秀範(國學院大學教授)「河内本の本文の特徴─「若紫」巻を中心に-」、神田久義(田園調布学園大学兼任講師)「「おぼす」と「おもほす」の偏向」、中村一夫(国士舘大学教授)「類義語と本文異同」、伊藤鉄也(国文学研究資料館教授)「字母から見たハーバード本「須磨・蜻蛉」と歴博本「鈴虫」」、上野英子(実践女子大学教授)「三条西家源氏学における本文と注釈の形成史」、上原作和(桃源文庫日本学研究所)「東海大学桃園文庫蔵零本「浮舟」巻本文の位置」。 もう一つの研究目標である「3.対校本文のデータ化」についても、いわゆる河内本3本(平瀬本家・七毫源氏・河内本吉川家本)、青表紙本4本(吉川家本・大島本・明融本・榊原本)、別本3本(陽明文庫本・飯島本・米国議会図書館本)の計10本についてデータ化は済んでおり、公開可能な情況にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連携研究者などと行なう本文研究は、本年度もそれぞれの研究者が順当に研究をすすめていて問題はない。「対校本文のデータ化とその公開」に関しては、対校本文のデータ化は毎年ほぼ予定通り進めている。ただし、それらデータの公開にはまだ至っていない。その原因は、それぞれの伝本の所有者の了解が完全には得られていないことによる。ただし、それらのデータも写本そのものではなく翻刻し活字化したものであるので、やがて公開も可能になると想われる。
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Strategy for Future Research Activity |
『源氏物語』の本文研究は、一つの伝本を取り上げても膨大な量となるので、10本ほどの主な伝本に限っても、54巻全巻の本文対校を、可視的に容易に把握できる形に作成し、データ化するには、まだ相当の労力と時間を要する。しかし、「基盤研究A(4年間)」・「同C(3年間)」、そして26年度からの「基盤研究C(3年間)」が認められたことで、新たな本文の翻刻と、それらを用いた本文対校一覧の作成と、そのデータ化が大きく前進しつつある。全体が完成して初めて、大きな意義を発揮する研究であるので、これまでの研究基盤を引き継ぎながら、完成を目指して進めていきたい。
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Causes of Carryover |
『報告書』がまだ出されていないため、残額が発生している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
『報告書』の発行に使用する。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] 類義語と本文異同2015
Author(s)
中村一夫
Organizer
通算第22回 科学研究費公開共同研究発表会
Place of Presentation
國學院大學
Year and Date
2015-12-19 – 2015-12-19
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