2015 Fiscal Year Research-status Report
中南米日系移民および韓国系移民による文学に関する総合的研究
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26370250
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
川村 正典 (川村湊) 法政大学, 国際文化学部, 教授 (70224855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 貴嗣 法政大学, 国際文化学部, 講師 (60597813)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 文学一般 / 日本文学 / 近現代文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度はコロンビア共和国サンティアゴ・デ・カリ、ボゴタにおいて日系・韓国系移民文学の調査研究と資料収集を行った。『コロンビア移住史 五十年の歩み』、『コロンビア日本人移住七十年史』、またコロンビア日系人協会付属日本語学校の『ひかり園創立30周年記念誌』も移民史の基礎資料として入手済みである。その後も現地移民と連絡を取り合い、継続して意見交換を行うことの出来る人的繋がりも形成している。収集資料の整理と読解を行っている最中である。 平成25年8月に、増山朗『グアラニーの森の物語』(川村湊編、インパクト出版会)を刊行したため、日本文学研究以外の移民研究者や沖縄文化研究者らとの交流も生まれている。また国際日本学研究センターで行われている移民研究会にもメンバーとして出席している。 韓国系移民文学資料の収集も進んでおり、文芸雑誌『ニューヨーク文学』(全26巻)や地元コミュニティ誌も入手出来、現在整理と読解を行っている。掲載記事から移民コミュニティの性質を把握し、北米とラテンアメリカの韓国系移民社会の人的繋がりや作家の所在、それぞれの作品に見られる共通性や差異を現在分析している。『ブラジル韓国系移民作品集』、『アルゼンチン韓国系移民作品集』(ともに金煥基編)を昨年度韓国で刊行したため、韓国人移民研究者とも交流が出来ており、韓国で開催された幾つかの移民研究会にも参加している。また、平成26年度に調査を行ったドミニカ共和国、ボリビア、メキシコにて収集した資料の整理と読解、分析も継続して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロンビア日系人協会を訪問し、元会長の新地学氏と連絡を取り合うことが出来るようになった。日系人協会所蔵の資料調査を行い、必要な資料を入手出来た。また、コロンビア日系人協会付属日本語学校(ひかり園)を訪問し、生徒の日本語作文を複写することが出来た。ボゴタではコロンビア日本大使館を訪問し崎原啓子氏と会談、日系移民関連の資料も入手することが出来た。コロンビア韓人会事務所を訪問し、韓国系移民の現地資料も入手した。現在それら資料の整理と読解、分析を行っている最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度はこれまで収集してきた資料の読解と分析を主として行い、その取りまとめ作業を中心に行っていく。収集した資料はかなりの分量があり、整理に時間を要する。不足分があった場合、現地と連絡を取り合いながら入手していく。読解と分析は継続して行っていく。
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