2016 Fiscal Year Research-status Report
シェイクスピア劇の材源・改作とイギリスの帝国化400年の関係についての研究
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26370282
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大和 高行 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (30253371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 潤司 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 教授 (10258676)
杉浦 裕子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (50412846)
丹羽 佐紀 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (40244272)
山下 孝子 鹿児島国際大学, 経済学部, 教授 (70224623)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ネイハム・テイト / 『リア王一代記』 / グランヴィル・ベーカー / マルタ島のユダヤ人 / 翻訳 / 解題 / 財源・改作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究のための基礎的資料の収集・整理をしつつ、研究代表者と分担者全員が参加する研究会での討議を経て、イギリス帝国主義とシェイクスピア劇の材源・改作との相互関係を分析した。また、鹿児島大学の大和高行を中心として、杉浦裕子、小林潤司と共に、ネイハム・テイト作『リア王一代記』の訳出を整え、鹿児島大学法文学部紀要人文学科論集、第84号、31-104(2017)に掲載した。また、その解説を大和が鹿児島大学法文学部紀要人文学科論集、第84号、105-120(2017)に掲載した。また、小林潤司が「『ヴェニスの商人』とユダヤ人劇の系譜-サブテクストとしての『ロンドンの三人の貴婦人』を日本シェイクスピア協会(編)『甦るシェイクスピア 没後400周年記念論集』、研究社、2016年、196-216に載せた。また、小林潤司・杉浦裕子・丹羽佐紀・山下孝子・大和高行(共訳)「初期近代英国におけるセネカの悲劇『チュエステス』の翻訳(1)-ジャスパー・ヘイウッド訳『サイエスティーズ』(1560)の翻訳と注解」を鹿児島国際大学国際文化学部論集、第17巻第4号、299-310(2017)に載せた。また、丹羽佐紀が「The Tempest における「対立」とはー和解を取り巻く劇的構造」を鹿児島大学教育学部研究紀要、第68巻 人文・社会科学編(2017に載せた。また、甲南大学の杉浦裕子を中心として、グランヴィル・べーカー『ヴェニスのユダヤ人』の訳出を進めた。大和を中心とする研究グループによるシェイクスピアの材源と改作に」関する作品の訳出にあたっては、およそ2か月に1度の頻度で大和研究室において令閨を開き、それぞれの持ち回り担当箇所の翻訳を、つぶさに検討している。訳出作業では、訳は正確か、日本語表現として十分こなれていて、台詞としての通りがいいか、などの点に注意しながら、参加メンバー全員が忌憚のない意見を相互に出し合って、真剣に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先の科研費研究解題の分と併せて、改作関係の翻訳・解題が4作品文できた。これは年度末の研究成果出版報告として公刊できるだけの内容・分量になっており、おおむね順調に進展しているといえるから。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度にはこれまでの研究成果を踏まえて、日本英文学会九州支部のシンポジウムで各人のテーマに沿った発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度にはこれまでの研究成果を併せて印刷発表して公刊する予定である。昨今の印刷費の高騰に鑑みて、一定額を計画的に次年度に残すことにしたから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度のかなりの額を研究成果の印刷発表のための費用として使用する計画である。
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Research Products
(9 results)