2014 Fiscal Year Research-status Report
高尚/通俗文学の境界を侵犯する―ヴァルザーやグラウザーの戦略のアクチュアリティー
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26370389
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
EMDE Franz 山口大学, 人文学部, 教授 (00209157)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高尚文学 / 通俗文学 / 比較文学 / 文学評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトの第一弾として平成27年3月26日~3月28日( 3日間)山口大学で国際シンポジウム「国際シンポジウム『高尚文学と通俗文学』文化的横断・メディア的横断の視点からの再検討」("Hohe und niedere Literatur. Interkulturelle und Intermediale Aspekte einer problematischen Dichotomie")を行った。 9カ国の研究者30名が参加した。個別のセクションの発表会に先立って、ボーフム(ドイツ)のルール大学教授のモニカ・シュウミツ=エマンズ先生(専門:ドイツ文学・比較文学)の基調講演を行った。二日目は本学の日本現代文学専門の平野芳信先生による講演会があった。一般市民にも公開で来るためにドイツ語による講演を研究会支援者に翻訳と逐次通訳、日本語による講演をドイツ語に翻訳と逐次通訳で行った。本大学のホームページやプレスリリースによって公表され、いずれも一般市民20名前後が参加した。(http://www.yamaguchi-u.ac.jp/event-cal.html?mode=0&calendarMode=article&blockId=361274&calendarFrom=20150301) 研究発表会は10セクションに分けて三つの発表会場で行われた。いずれの会場にパソコン、プロジェクターやスクリーンを用意し、学生スタッフも配属し円滑な運営を確保できた。さらに印刷などのために自由利用のパソコンやプリンターも用意し、海外・学外の研究者に仮のネットアカウントを提供した。 それぞれのセクションには、活発的な議論が行われ、実りのある国際的な研究交流ができた。これからは、発表された内容を論文に仕上げて論集として出版する予定である。 会議中は、休憩時間に茶菓を供し、参加者の交流も促進した。最後の日は、茶道サークルのメンバーによる抹茶もあった。日本の文化を体験できるために、本研究会のテーマ(高尚・通俗)にも関係していると思われる山口の鷺流保存会のメンバーに狂言『千鳥』を披露していただいた。海外の研究者に好評であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際シンポジウムに関して参加者の人数や分野のヴァライティーにおいて理想的な規模にまとまり、予定通り実施できた。基調講演を公開講演として開講することによって翻訳作業が必要となったが、研究支援者などの協力で円滑に実現ができた。海外の研究者21名を迎えたため、言語能力のある支援者と学生スタッフを効率的に使用した。発表者は不自由なく山口市内や山口大学内を動き、そして安定した環境で研究発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
国際シンポジウムに参加した発表者全員は、発表された内容を論文に仕上げ、論集に載せる予定である。5月中旬に論文集のための原稿案内を送信する予定である。来年中に論集の出版を予定している。 次の段階の準備として5月中はオーストリアのウィーンで開かれる国際比較文学大会への申請手続きを行う予定である。 これからの計画は、連携研究者と研究協力者と連絡しながら行う予定である。そのために研究打合せも随時に実行する。
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Causes of Carryover |
国際シンポジウムの準備の一環として東京で研究協力者との研究打合せの予定があったが、準備状況からみて不要だと判断したため、未使用額が発生した
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
講演原稿の翻訳や全般の論文のネイティブチェックに当てる予定である。
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Remarks |
当シンポジウムの公開講演のアナウンス(1)とプログラム(2)のページである。
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