2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of the Acceptance of Modern Japanese Literature in China - Based on Lu Xun / Zhou Zuoren's translation "Contemporary Japanese Novel Collection"
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26370411
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秋吉 收 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (90275438)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中国近代文学 / 日本近代文学 / 魯迅 / 周作人 / 徐玉諾 / 『野草』 / 『現代日本小説集』 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の方向としては、まず『現代日本小説集』の中心作家たる夏目漱石を取り上げて研究を進めた。また代表作『野草』など魯迅自身の著作や、日本(文学)研究の上では魯迅よりも業績の多い弟の周作人の具体的な文学営為について、新しい発見を伴う研究成果を提出することができたと考える。また昨年度に引き続き、辺境の文学者徐玉諾にも目を注ぎ、彼の出身地河南省の研究者と共に『徐玉諾叢書』の編纂にも尽力した。 また、昨年度の報告で課題としていた「翻訳」の概念について、林ジョに始まるとされる近代中国における「翻訳」が、魯迅周作人兄弟に至って如何に変容したのか。近代中国における翻訳の意義と問題点について、一つの回答を提示することができたことは特記したい。 実績としては、まず『徐玉諾研究叢書 將來之花園』(2017年5月初版、河南:徐玉諾学会、『徐玉諾研究叢書』学術委員会)、『徐玉諾研究叢書 徐玉諾詩文選讀』(2017年9月初版、同学会・学術委員会)に「魯迅与徐玉諾―囲繞散文詩集『野草』」(転載)「頼和与徐玉諾―“台湾的魯迅”與大陸新文学的関係」「作為“郷土文学”作家的徐玉諾」関於未刊行的『徐玉諾小説集』」を発表した。また3篇の学術論文を執筆した。単著論文として「中国近代文学創出に関わる「翻訳」の意義―魯迅・周作人編訳『現代日本小説集』、散文詩集『野草』を端緒として」(『言語科学』第53号 九州大学言語文化研究院 2018年3月)並びに、「『野草』与日本―関於両個詩人―」(『学術月刊』2018年第3期〔第50巻,総第586期〕 上海市社会科学界聯合会 2018年3月)を執筆。『学術月刊』誌は、所謂「核心期刊」であり、学会発表後に投稿の依頼を受けたもの。また、共著論文「魯迅与夏目漱石―従社会批評与文明批評的視角看―」(『言語文化論究』第40号 九州大学言語文化研究院 2018年3月)を執筆した。
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Research Products
(12 results)