2014 Fiscal Year Research-status Report
昭和モダンの展開/転回ー1930~40年代東アジアにおける文化翻訳のポリティクス
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26370430
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
波潟 剛 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 准教授 (10432882)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | モダニズム / 文学・文化研究 / 国際情報交換 / 韓国・中国・台湾 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
1930年代から1940年代における東アジア地域間でのモダニズムをめぐる文化翻訳・越境のあり方に関して、復刻版で刊行されている重要な資料を購入するとともに、国内外での資料調査を進め、必要な文献を収集した。また、日本のみならず、韓国、中国における各種研究会、学会に参加し、意見交換を行うなかで、日本、韓国、中国、台湾におけるモダニズム研究の現状把握を行った。これらの活動を通じて、研究の成果を、以下の通り、学会発表および、学術論文によって公表した。①「コロニアル・モダニティの射程-グローバル・アジアの時代に」(社会文学会全国大会、2014年6月、東京学芸大学)②「「東アジア的同時性の視座」-1930年代モダニズム文学・文化に関する研究ノート」(『九大日文』24号、2014年10月)、③「コロニアル・モダニティの射程-グローバル・アジアの時代に」(『社会文学』41号、2015年3月)、④「"Exotic Modern: Japanese Literature and Cultural Translation in the Early Showa Period," East Asian Humanities Forum 3, March 2015, Ewha Institute for the Humanities」これらのうち、、③については、当初の計画通り、インターネットでの多言語による公開を実施するため、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、および韓国語での翻訳を行った。これらに加えて、27年度に実施する公開講座の企画を開始し、韓国、中国、台湾のモダニズム研究者との打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東アジア地域における研究動向の把握に時間を要した点、また、情報交換をするなかで、当該課題と関連するが、当初の予定にはなかった学会発表を提案され、新たに与えられた課題を実施することになり、今年度計画していた研究発表には着手できなったことが大きな原因である。また、本務校の組織改編にともなう種々の用務を遂行するため、長期の出張が困難となったため、本年度予定した現地調査などを断念せざるを得なかったものがあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度に完成できなかった課題に取り組むと共に、資料調査をさらに進め、東アジア・モダニズムの展開に関する分析を進める。また、福岡市文学館と協力し2015年7月から2016年1月にかけて、韓国、中国、台湾の研究者を招聘して、東アジアのモダニズムに関する公開講座を開催する。
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Causes of Carryover |
2014年度に予定していた長期の海外出張を実現できなったことが一番の要因であるため、2015年度にはあらためて出張計画を立て実現に向けて努力したい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
中国、インドネシアにおける資料、現地調査を実行しつつ、2015年度に予定してた調査も平行して行う。また、福岡市文学館と協力して公開講座を実施する。
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