2015 Fiscal Year Research-status Report
日本人の言語行動におけるポライトネスー異文化理解教育の方法論開発
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26370608
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松村 瑞子 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (80156463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山路 奈保子 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40588703)
因 京子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60217239)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ポライトネス / 配慮表現 / 異文化理解教育 / ポライトネス・ストラテジー |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)海外の日本語・日本文化教育機関における異文化理解教育の実態調査 研究代表者および分担者が指導および共同研究を行ってきた日本語教育関係者を通じて、海外の日本語ポライトネス指導の実態を調査した。既に連携を行ってきた台湾の国立台中科技大学(黄英哲准教授)、中国上海外国語大学(許慈恵院長)には、平成27年度直接訪問して、実態調査を行った。さらに、平成27年6月~7月九州大学を訪問されたアメリカ合衆国アリゾナ大学人文学部副部長キンバリー・ジョーンズ教授による特別講演「異文化コミュニケーションにおける誤解、ポライト・フィクション、異文化間コミュニケーション」およびワークショップ「語用論と言語教育」を企画したことを機に、ジョーンズ教授と連絡をとり、平成28年3月アリゾナ大学を訪問し、ワークショップでの発表を行うと同時に、アメリカでの異文化理解教育についての実態調査を行った。その他、ロシア、ベトナム、インドネシア、エジプトの教員および卒業生と連携して実態調査を行った。 (2)海外の日本語・日本文化教育機関における日本語ポライトネス指導および継続的指導のためのネットワーク構築 実態調査に基づき、指導教材、教師用手引きおよび教授法に修正加筆を行っている。さらに、韓国の仁川大学校、中国の上海外国大学、台湾の国立台中科技大学での指導およびアメリカアリゾナ大学での情報交換を基に、日本語ポライトネスの指導のためのリソース提供およびネットワーク形成を行っていっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に行う予定であった以下の計画については概ね順調に実施した。 (1)海外の日本語・日本文化教育機関における異文化理解教育の実態調査については、上記で述べたとおり台湾、中国、アメリカの3カ国を訪問して行うと同時に、ロシア他の国々とはメールを通して調査を行った。 (2)海外の日本語・日本文化教育機関における日本語ポライトネス指導および継続的指導のためのネットワーク構築についても、各国の機関での発表および指導を行い、現在指導教材および指導法の修正加筆を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は以下の計画で研究を進めていく。 (1)引き続き、海外の日本語・日本文化教育機関における日本語ポライトネス指導および継続的指導のためのネットワーク構築を行っていく。取り分け、ロシアのイルクーツク国立言語大学日本語学科のナーデジダ・ウェインベルグ准教授との共同研究を進めると同時に、ロシアでの教授法を探る。さらに、中国、台湾、韓国等テキストおよび指導書の翻訳を行った国々との連携強化を行う。 (2)国内外の日本語・日本文化教育機関への日本語ポライトネス指導のためのリソース提供および異文化理解教育のネットワーク形成を行っていく。本研究で完成させる指導教示、教師用手引書、教授法、コースデザインを資料として出版し、協力してくれた各国の日本語・日本文化教育機関に送付する。 さらに協力してくれた国内外の日本語・日本文化研究者との連携を継続させるために、Web上での情報交換・議論を継続的に行っていくと同時に、積極的に学会発表等を行っていく。
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Causes of Carryover |
平成26年度および平成27年度の国内旅費および備品について、それぞれが大学の個人研究費で賄ったため、平成28年度使用予定の当該助成金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は本プロジェクトの最終年度となるため、先ず平成26年度・27年度で訪問予定であったが予定が合わず訪問できなかった国々を訪問して日本語ポライトネスの授業を行う。次に、本研究で完成させた各国版指導教材、教師用手引書、コースデザインを出版し、協力してくれた各国の日本語・日本文化教育機関に送付する。これまで作成した、日本語、英語、中国語、韓国語に加え、ベトナム語、ロシア語、アラビア語等と数多くの言語への翻訳を個別に出版することになるため、今年度の助成金と27年度までの剰余金はその印刷費と旅費にあてる計画である。
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Remarks |
報告書に記入したように、以下の共同研究を行った。 ロシアのウェインベルグ・ナジェージダ氏とは共同で論文執筆をおこなった。また、アメリカ合衆国アリゾナ大学人文学部では九州大学とアリゾナ大学共同のシンポジウムを開催してもらい関連する発表を行った。台湾台中科技大学では招待講演を、中国上海外国語大学では東アジア日本語日本文化フォーラムの共同開催を行った。
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Research Products
(20 results)