2015 Fiscal Year Research-status Report
大学英語教育におけるスピーキングテストの比較:指導法及び学習者要因とのモデル構築
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26370738
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
藤井 彰子 聖心女子大学, 文学部, 講師 (60365517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 淳子 聖心女子大学, 文学部, 講師 (70407617)
渡邊 泉 (金泉) 国際基督教大学, 教養学部, 講師 (40365523)
稲垣 善律 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (50433909)
大畑 甲太 フェリス女学院大学, 文学部, 准教授 (00407181)
飯野 厚 法政大学, 経済学部, 教授 (80442169)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スピーキング / 評価 / 学習者要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
①本研究の目的は、国内外で使用されている複数のスピーキングテストが、中級レベルの日本の大学生の英語コミュニケーション力習得の評価にどのように役に立つかについて理論的及び実証的に明らかにすることである。具体的には、1. テストの種類によってスピーキング力評価の差、2.テストと 習熟度(proficiency)、学習動機付け(motivation)、不安度(anxiety)、コミュニケーション意欲(willingness to communicate)、過去の学習環境、といった学習者要因との関連、3. テストの妥当性や実施可能性と問題点、4. タスク中心指導法(task-based language teaching)にもとづいた授業の学習成果の評価としてのテストの妥当性に着目する。 ②初年度(H26年度)は予定通り、上記1、2、3 の検証を進めるためのデータ収集に取り組み、38人の大学生を被験者(学習者)とし、2つのテスト及び学習者による自己評価、及びアンケートを実施した。 ③本年(H27年度)はH26年度収集した2つのテストデータの評価を行い、アンケート回答を分析し、8月に学会発表(外国語教育学会)及び投稿論文(聖心女子大学論叢)に成果をまとめることができた。 ④また、本年は上記1、2、3に加え4に焦点をあててデータ収集の第二段階を実施した。内容としては、長期的なスピーキング力の上達を測定する目的でTOEFL型(モノローグ)、IELTS型(インタビュー形式)のスピーキングテストを4月、7月、1月の3回実施した。その間、学習者はタスクを用いたスピーキングの実践練習(ウェブ会議を用いた海外(フィリピン)の講師とのスピーキング練習を含む)に取り組んだ。情意面への影響を調査するためのアンケートやインタビューも行った。データ分析及び研究成果の発表は次年度(H28年度)行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(H26年度)及び本年度(H27年度)は順調にデータ収集を実施することができた。また初年度のデータ分析の研究成果をH27年度に学会発表及び論文としてまとめることができた。ただし、H27年度に収集したデータについては分析の枠組みを整える作業に手間取っている。早急に進め、H28年度中に研究成果をまとめることができるように努力したい。また、H27年度のデータ収集の際、主に学習者の情意面に関して特に興味深い面が明らかになったため、新たにH28年度に追加のデータ収集を通してプロジェクト全体のバランスを図る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
①データ分析:本プロジェクト最終年である次年度(H28年度)は本年(H27年度)収集した膨大なデータの整理と分析に取り組み、初年度の研究成果につなげる形での研究成果を発表することを予定している。具体的には1年を通して3回実施したスピーキングテストの内容を数値の評価のみならず「何を話したか」あるいは語彙、間違い、構文の難易度などの面からも変化を検証したい。TOEFL型のテスト、IELTS型のテストの違いにも着目してデータ分析を行う予定である。 ②研究成果の発表:研究成果を国内の学会で発表し(H28年度中)、国内及び国際学会の学会誌に論文として投稿することを目指す(H28年度中に応募)。 ③追加データ収集:これまで実施済みのデータ収集において浮かび上がって来たもっとも興味深い点の1つが「テストが学習者の学習に与える影響」である。この点が当初のデータ収集計画では十分に調査できなかったので、その点に絞って小規模ではあるが追加のデータ収集を予定している。
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Causes of Carryover |
本年度、研究成果の発表が国内学会のみとなったため、外国旅行費が未使用であった。またこれまでに収集したデータ分析の枠組み決定に遅れが生じたためにデータ整理やスピーキングテスト評価の謝礼の支払いも持ち越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は国際学会の発表及び、専門家によるスピーキングテストの評価の謝礼に未使用分をあてる予定。
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