2015 Fiscal Year Research-status Report
経済時系列モデルのパラメータ変化に関するモニタリング手法の研究開発
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26380279
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
前川 功一 広島経済大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20033748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
得津 康義 広島経済大学, 経済学部, 教授 (30412282)
河合 研一 別府大学, 国際経営学部, 准教授 (50425831)
永田 修一 関西学院大学, 商学部, 助教 (50546893)
森本 孝之 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (80402543)
片山 直也 関西大学, 経済学部, 教授 (80452720)
久松 博之 香川大学, 経済学部, 教授 (90228726)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経済時系列分析 / GARCHモデル / 独立成分分析(ICA) / 因果序列 / 構造変化 / 高頻度データ / 為替変動 / 金融緩和政策効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
実績1:前川・小村・永田(2015)は、2009年~2014年の間の月次データを使用して、予想インフレ率を変数として含むVARモデルを用いて、日本の金融緩和政策効果の検証を行った。その結果、このデータ期間に関する限り、マネタリーベースの増加→予想インフレ率上昇→消費者物価指数の上昇への波及経路が検出された。また同じデータを使ってKatayama(2015)は日本銀行の金融緩和政策に関するSVARモデル分析をおこなった。 実績2:われわれは変数間因果序列検出法として独立成分分析(ICA)に注目し、SVARモデルを前提とするICA分析の有効性をモンテカルロ実験で確認した上で、2,3の実証分析を行った。その一つとして、前川・アミルラ(2015)はインドネシア・ルピア、米ドル、ユーロ、日本円との間に因果序列を検出した。 実績3: 構造変化の検定においては、検出された構造変化時点の信頼区間を構成することは必ずしも容易ではない。われわれはGARCHモデルの構造変化点に対する信頼区間を、ブートストラップ法で構成する研究を行った。その結果を踏まえてアミルラ、河合、Lee、前川(2015)はインドネシア・ルピアに対する非公開為替介入時点とその信頼区間を構造変化検出手法を用いて検出した。 その他:以上の実績の他に、2015年度には13.研究発表欄に記載したように、永田(2015)、森本(2015)は高頻度ファイナンス時系列データの分析に関する理論的、実証的分析を行い、その成果は論文として刊行された。また前川・河合の研究成果の一部は2015年8月モントリオール開催のWorld Congress of Econometric Societyで発表した。その他、前川はICA分析のモンテカルロ実験及び金融緩和政策の実証分析について日銀、一橋大学、Singapore Management Universityなど国内外の学会、ワークショップ等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(平成26年度)に予定していたにもかかわらず実現しなかった海外における学会発表が、昨年度(平成27年度)は実現したこと、研究成果の学会発表、及び学術専門雑誌に掲載されるなど、研究成果が出始めたことなどから、2015年度は「おおむね順調に進展している」と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ICAによる経済変数間の序列の検出に関する理論的、実験的、実証的分析をさらに深める。特に未開拓な問題多い理論的な面を追及したい。 2.最終年度なので、分担者が一堂に会し、これまでの研究成果の報告会を実施する 3.本研究の成果を踏まえ、今後の研究方針を検討する。特にICAを中心に研究計画を立案する
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Causes of Carryover |
モントリオール(カナダ)で開催されたEconometric Society 2015 World Congress で報告するための旅費が不足したたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究代表者及び分担者への配分額を減額することによって調整する
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