2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380289
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 圭介 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30227889)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 分割民営化 / JR総連 / JR連合 / 国労 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究は、三つのライバル関係にある労働組合へのアプローチから始まった。五月から六月にかけて、関係者を通じて、協力の是非をたずね、中村がJR連合、戸塚がJR総連、橋元が国労にアプローチを行い、私たちの調査の趣旨、調査の進め方を説明した。二回から三回会い、こちら側の意図を正確に伝えた。その結果、三組合とも執行部での論議を経て、調査に協力してくれることとなった。だが、一つの組合だけは執行部がその後、変わってしまい、振り出しに戻ることとなった。この組合については年度内にインタビューをすることができなかった。 三つの組合へのアプローチを行う一方、精力的に研究会を開催し、分割・民営化前後のことを当事者が描いたいくつかの著作(たとえば葛西敬之『未完の国鉄改革』東洋経済新報社、2001年、升田嘉夫『戦後史のなかの国鉄労使 ストライキのあった時代』明石書店、2011年など)を読み、現状についての認識を深めると同時に、調査項目の検討を行なった。 実際のインタビューは秋以降に行なわれた。一つの組合の書記長、当該組織傘下の単組の組合役員、もう一つの組合の事務局長から各組合の組織、政策、活動などについて貴重な話しを伺うことができた。その後、研究会を数度、開催し、インタビュー記録を詳細に読みこみ、その後の調査計画、調査の方向性を議論した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
最大の理由は労働組合の協力を得るのに、多大なエネルギーと時間を要したことである。これは研究企画段階から予想されていたことだが、私たちの予想をはるかに超えて大変であった。 マイナーな理由として、研究代表者である中村が、平成27年度に東京大学から法政大学に移ることとなったことをあげることができる。転職の準備、そのための事務手続きに忙殺され、この研究のために十分な時間と労力を投入することが難しかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究会を毎月二回開催し、研究の方向性を確認するとともに、調査項目の詳細を詰める。その上で、既に協力を得られている二つの組合へのインタビューを重ねるとともに、それぞれ傘下の三つの単組(JR東日本、JR東海、JR西日本)合計六つの単組にインタビューを行なう。できれば職場レベルの組織へのインタビューも行いたいと考えている。それと並行して、平成26年度にインタビューを行なうことができなかった組合にも再度、アプローチを行なう。
|
Causes of Carryover |
調査への協力を得るために時間がかかったことと、研究代表者である中村が平成27年度に他大学へ転職することになったために研究が遅れ、予定していた研究支援者を雇うほどの仕事が発生しなかったからである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は協力が得られている二つの組合傘下の各単組へのインタビューを積極的に行なうことを計画しているため、仕事量が大幅に増えることが予想されるため、研究支援者を雇用することを計画している。そのための費用の一部にあてる。
|