2016 Fiscal Year Research-status Report
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26380289
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
中村 圭介 法政大学, 総長室, 教授 (30227889)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | JRの労使関係 / 外注化 / キャリア / 労働組合の職場活動 / 労働給付量規制 / 組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
JR連合の新しい事務局長に会い、調査趣旨を再度説明することから2016年度は始まった。JR総連の書記長には今年度も調査依頼を行なったが、「こちらに任せてほしい」とのことで、いまだ進展はみられていない。 JR連合加盟のJR西労組委員長に2016年9月23日に第2回のインタビューを行い、追加の文書資料を収集した。聴取調査結果と文書資料をデータに、JR西日本については4つの論文を執筆する。「外注化と組織化」は分割民営化後進展した業務の外注化と非正規化に、労働組合がグループ企業の組織化、非正規の組織化で対応したこと、その背後に、安全問題への配慮とキャリア構築への関心があったことを論じたものである。「鉄道職のキャリアをめぐる諸課題」は駅務、車掌、運転士のキャリア構築が現在、抱えている課題と組合政策を論じている。このほかに「若年労働者と組合活動-青年委員会活動を中心に」、「交番表の作成と労働組合の発言」をテーマに論文を執筆中および執筆予定である。既に完成した論文については現在、JR西労組にチェックを依頼中である。残りの2つも、今後、鋭意努力を重ねて、2017年度の早い段階で書き上げる予定である。 JR連合加盟のJR東海ユニオン委員長に対しては8月26日に第1回のインタビューを行い、文書資料を収集した。調査に協力をいただいたものの、十分な信頼を獲得できてはおらず、満足のゆくインタビューはできていない。収集した文書資料も不十分である。JR東海ユニオンについては、現在、追加的なインタビューと文書資料の収集を計画中である。JR東海については、現在、鉄道職のキャリアを駅務、乗務員の双方向への移動が可能にしたキャリア改革に焦点をあてた「鉄道職のキャリアをめぐる改革と課題」、また「労働組合の職場活動-総点検活動を中心に」というテーマで、論文を執筆することを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
何よりも、労働組合との間で信頼関係を構築することに予想以上の時間がかかっている。現在、充分なる信頼を勝ち得ているのはJR連合加盟のJR西労組だけである。JR西日本については、膨大なデータを収集したため、論文の執筆に想定以上に時間がかかっている。JR東海ユニオンについては、ようやく、第1回めのインタビューを2016年度に行うことができたが、インタビューでも慎重な姿勢は崩さず、収集できた文書資料もわずかなものにとどまった。JR総連加盟の東日本、北海道の単組についてはまったく接触できていない。引き続き、最後まであきらめることなく、努力を継続していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
JR西日本の労使関係については4つの論文をすべて完成させる。JR東海については、再度、JR東海ユニオンへのインタビューを行い、さらなる文書資料の収集に努める。JR総連加盟の単組についても、引き続き、調査協力をお願いし、報告書執筆に至らなくても、一定程度の信頼関係を構築すべく努力を行う。本研究が「予備調査」であることを踏まえ、粘り強く、信頼関係構築のための努力を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
予定していた論文が未完成なため調査報告書を印刷、製本することができなかった。さらに、JR東海ユニオンへの第2回めのインタビューが実施できておらず、テープ起こし費用を支出することができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査報告書の作成に40,000円、テープ起こしに50,000円、JR西労組への出張(説明のため)に28,900円。その他(インク代、紙代などで)5,150円を計画している。
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