2014 Fiscal Year Research-status Report
グローバル・バリュー・チェーン(GVC)におけるサービス産業の役割
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26380290
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
伊藤 由希子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30439757)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 産業連関表 / 国際収支統計 / GVCs / 産業分類 / 職業分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
サービス貿易を直接的指標(サービス収支)と間接的指標(財に体化されたサービスの付加価値)から計測した.具体的には国際収支統計と各種国際産業連関表の特徴を整理した(下記は,それぞれに相手国の範囲,産業の種類,データ期間が異なるため,適宜併用した統計である.) 【国際収支統計(サービス収支)】は、1996年以降のデータを利用した(同年より国別・地域別統計の公表が開始されている).これは、14サービス産業,32か国・12地域,をカバーするが、2014年1月以降,計上項目の拡充や区分の変更がなされる為,時系列データの補正を行う必要がある. 【国際産業連関表】については、主に5種類の統計を用いた.具体的には(1)UNCTAD-Eora:(187か国,25~500業種,1990-2010年),(2)ICIO (OECD/WTO):(40か国,18業種,2005・2008・2009年),(3)AIIO(IDE-JETRO):(10か国,76業種,1975~2005年までの5年毎),(4)GTAP(USITC):(129か国,57業種,2004・2007年),(5)WIOD(EU):(40か国,35業種,1995~2009年)である. 作業手順としてはまず,アジア産業連関表(AIIO)を用いたが,10か国(アジア9か国と米国)の取引関係であるため,世界産業連関表(WIOD)を合わせて活用した.Johnson, Noguera(2012), Koopman et. al.(2013)の手法を援用し,更にサービス産業の産出投入の峻別を行い,また,必要に応じて(例えば業種分類や職業分類の)対応表作成をおこなった. 当初予定したとおり、初年度である平成26年はデータの構築を主として行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各種の統計の接続を完了することを,平成26年度の目標設定としたが,各統計毎における時系列での一貫性の確保(縦の調整)に想定以上の時間を要し,各統計間のコードマッチング(横の調整)はまだ完了していない.どの時点を分析の照準とするかに依って,合わせるべき産業分類(各国)と職業分類(各国)が変わってしまう.コードマッチングには時間を要するため,必要十分な接続範囲を見極めてから作業を開始する必要があり,そのための精査が十分に完了していない.
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Strategy for Future Research Activity |
サービス貿易の業種別活動内訳を詳細にする.特に,国際産業連関(マクロ情報)に加えて,企業別情報(ミクロ情報)からも具体化する.利用予定の統計個票の申請を行うとともに,取得次第,その特徴を整理する.(1)海外事業活動基本調査 (海外に子会社を所有する親企業とその在外法人)では,日本資本による,外国むけの新規投資や財・サービス提供の状態を産業別に整理する.(2)企業活動基本調査では,日本で活動する一定規模以上の企業における,輸出・輸入(産業別),直接投資,海外展開状況を産業別にまとめる.(3)外資系企業動向調査 (日本に子会社を所有する外国企業の在日法人)では,外国資本による,日本向けの新規投資や財・サービス提供の状態を産業別に整理する.
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Causes of Carryover |
研究打ち合わせのための旅費が平成27年3月に発生した.この旅費によって平成26年度分の 所要額は全て支出しているが,経費の処理については4月に遅延したため,帳簿上は残額が発生している.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由により,帳簿上残額が発生しているが,使用計画における実質的な遅れは発生していない.
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