2015 Fiscal Year Research-status Report
生産工程の変革による産業集積の変遷メカニズムに関する動学モデル分析と検証
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26380316
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| Research Institution | Chuo University |
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Principal Investigator |
石川 利治 中央大学, 経済学部, 教授 (80266262)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (50149473)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 生産工程 / 移転価格 / 商業モール / 利子率の立地作用 / 運賃率 / 都市体系 / 競争様式 / 品揃え水準 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2015年度において達成された研究成果は財の販売面と製造面に２分割でき、それぞれの面における成果は次のようになる。財の販売面においては商業モールの品揃えと市場圏を取り上げた。運賃率の低下がモールの取り扱う品目数とその商圏の広さに対してどのような影響を与えるかを、モール間の競争関係を通して分析した。この分析によりモール間における競争関係は品目数と商圏の広さに異なる大きな影響を与えることを明らかにした。すなわちモール間の競争様式が競争的であるほど品揃え水準は高く、広い商圏になるが、運賃率の低下にともない、より緩やかな競争様式に比べて低い品揃え水準と狭い商圏になることを明にした。次いで製造面においては、利子率の水準と経営の予定生産期間を勘案しながら、運賃率が製造系企業の生産工程の立地に与える影響を分析した。これにより運賃率が相対的に高いあるいは低い場合には運賃率の立地的作用は極めて強い。運賃率が高い場合には生産する財の使用地に生産工程は接近する。そしてそれが低い場合には原料生産地に近づくことになる。しかし、運賃率が中程度の水準である場合には利子率と予定生産期間の立地的作用が働くことを明らかにした。利子率が低く、生産期間が長い場合には生産工程は財の使用地付近に立地する傾向を持つ。他方、高利子率と短い生産期間の場合には原料地付近に立地する傾向を持つことを明らかにした。続いて移転価格制を考慮して運賃率と生産工程の分割を考察し、移転価格制が生産工程の分割とその立地にいかに影響するかを明らかにした。最後に３月現在、販売と生産活動の両方が具現化される都市体系の考察に研究の重点を移している。ここでは都市人口の変化と都市規模順位の関係を動学的視点から取り上げ、都市体系内の最大都市の人口変化が他の都市の規模順位にいかに作用するかの分析を行っている
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究活動の当初から目標を的確に絞り込んでいたこと、加えて目標間、すなわち、財の製造と販売に関係する２種類の経営の立地行動様式の間にいくつか共通・連携関係が見いだされたので、考察も相乗効果をもって順調に推移している。
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| Strategy for Future Research Activity |
生産工程の集積と空間的分離に関する分析を動学的視点から考察するという分析枠組みに変化はない。しかし分析の進展において次のような興味深い分野が現れ、またヨーロッパ地域学会においても１つの大きな分析の流れが顕著になってきた。すなわち、集積経済と都市体系内において第２ランクの位置を占める都市との関係である。ネッワークの拡充に伴い、他の都市の規模をネットワークを通して借りるというアイデアの検証である。本研究の枠組みから生産工程の立地する工業団地が都市体系内の都市規模順位に与える影響の分析は大いに上記分析にも有効である。この面にも考察を加えてゆくように方策を思案している。
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| Causes of Carryover |
数式展開の結果に関する検証に時間をかけた結果、聞き取り調査費用と検証資料の収集費用が低額で収められた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
理論的考察枠組みの構築とそこからの考察結果がえられている。これらの結果の検証と応用に向けての聞き取り調査と統計分析用資料の取集などに予算をもちいて計画どうりの予算執行が可能である。
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Research Products
(6 results)
