2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380389
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
花崎 正晴 一橋大学, 商学研究科, 教授 (60334588)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コーポレート・ガバナンス / ストック・オプション |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題「コーポレート・ガバナンスの変貌と企業行動」の初年度である平成26年度において、重要性を有する基礎作業は、第1に各種の先行研究のサーベイ、第2に近年のコーポレート・ガバナンス構造の変貌を明らかにすること、そして第3にそのようなガバナンス構造の変化と企業行動との関係を実証分析するためのデータベース構築を進めることである。 第1の文献サーベイについては、アメリカを中心とした海外論文を英文ジャーナルから収集、日本の先行研究と合わせて概要を整理した。 第2に関連しては、会社法を中心とした企業法制の制度改革の状況、上場企業の所有構造や取締役会構造の変化、ストック・オプションの導入状況など、コーポレート・ガバナンスの変貌に関する主要な事象を体系的に調査し、いくつかの事例などに基づきそれらの影響を考察した。第1および第2の成果は、各種のシンポジウムなどで積極的に報告するとともに、一般向けの啓蒙書である『コーポレート・ガバナンス』(岩波新書、2014年11月発刊)を出版することによって、広く世間に知らせることができた。 第3の本格的な実証分析に向けてのデータベース構築については、現在鋭意作業を進めている最中である。具体的には、有価証券報告書の原データから、過去20年程度に及ぶ上場企業の各種収益及び財務指標や財務パフォ-マンス、所有構造、役員構成、関係子会社の状況などに関するデータベースを構築中であり、現時点で概ね6割程度の進捗状況となっている。これらのデータベースは、コーポレート・ガバナンス構造の変化が、企業行動や企業パフォーマンスにどのような影響を及ぼしているのかを実証的に分析するために、今後利用される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度において完了するのが望ましい先行研究のサーベイおよび近年のコーポレート・ガバナンス構造の変貌に関する情報整理は、ほぼ完了した。また、最も労力を有する作業である本格的な実証分析に向けてのデータベース構築は、現時点で概ね6割程度の進捗状況となっており、概ね当初予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
本プロジェクト2年目となる平成27年度は、企業レベルデータに基づくベータベースを構築させて、本格的な実証分析に着手する。また、その暫定的な結果を学会およびコンファランス等で報告する計画である。 3年目(最終年度)となる平成28年度には、データベースと実証分析を完成させるとともに、その成果を学術雑誌や研究書籍などに公表する計画である。
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Causes of Carryover |
企業財務データCD-ROMの最新版購入を先送りしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、平成27年度助成金とあわせて、企業財務データCD-ROMの購入(約150万円)、パソコンおよびプリンター購入(約25万円)、学会・コンファランス出張旅費(約25万円)、そしてデータ入力労務費(約36万円)に使用する予定である。
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