2014 Fiscal Year Research-status Report
高速取引時代における現物市場と派生証券市場の関係:高頻度データを利用した実証分析
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26380393
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森保 洋 長崎大学, 経済学部, 教授 (10304924)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マーケット・マイクロストラクチャー / 先物市場 / 高頻度データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近年金融市場において台頭している高速取引が、(1)わが国証券先物市場の質に与える影響 および、(2)現物-先物市場関係に与える影響 という2つのテーマについて、高頻度データを利用して実証的分析することである。 本年度は、テーマ(2)に関する最新研究のサーベイと、実証分析に利用するデータベースの構築・予備的分析を中心に行った。 データベース構築にあたっては、研究代表者が以前に作成した現物株式用のデータベースプログラムを援用する予定であった。しかし、先行研究のレビューを詳細に行うにつれ、先物取引だけではなく、オプション取引を含めた分析を行った方が学術的な貢献が大きくなると考えるようになった。したがって、先物取引・オプション取引の取引データを包括的に取り扱うデータベースの構築に取り組んだ。 データベースの構築後、大証新取引システムJ-GATEの導入前後における日経平均先物の流動性・価格発見能力をDifference in Difference(DiD)の手法を用いて分析する予定であった。しかし、DiDの対象として予定していたシンガポール取引所の先物取引データについて、現時点で必要なデータが入手できていない。これは、以前の研究では円滑であったシンガポール取引所との交渉に予定以上時間を要しているからである。したがって、現時点では大阪証券取引所の先物データに関する流動性尺度の構築と、それを利用した分析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度末には、1編のワーキング・ペーパーを執筆する予定であったが、データベースの拡張作業と、データ入手の遅延により、ワーキング・ペーパー完成に至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、シンガポール取引所とのデータ入手交渉を積極的にすすめ、データ入手と実証分析に着手する。シンガポール取引所のデータ入手が困難であると判断されれば、日経平均の構成企業の現物株価や、日経平均先物に関連するETF(Exchange Traded Fund)をDifference in Differenceの対象として利用するように研究計画を若干変更する予定である。
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Causes of Carryover |
購入予定であった取引データが、取引先のと交渉が遅延したため購入に至らなかった点が最も大きな理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、データ購入先と積極的に交渉を進めることで、平成26年度に予定していたデータを購入する。
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[Book] スマート化する放送2014
Author(s)
中村伊知哉,稲田修一,内山隆,渡辺久哲,三友仁志,春日教測,阿萬弘行,森保洋,宍戸常寿,音好弘,奥村信幸,林秀弥
Total Pages
253
Publisher
三省堂