2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive study of "Daido Seimei Monjo" : Genealogy of Relationship Banking
Project/Area Number |
26380436
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
結城 武延 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (80613679)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高槻 泰郎 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (70583798)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 経済史 / 経営史 / 金融史 |
Outline of Annual Research Achievements |
近世担当の高槻泰郎金融学会歴史部会、同志社大学、2016年11月12日、単独口頭報告, “Communication with market participants for macroeconomic policy: Empirical assessment using data in early modern Japan” (joint work with Masahiko Shibamoto)を報告した。近世において金融政策が市場や市場参加者にどのような影響を与えたのかを検討しており、米価に関する幕府の政策に対して、市場参加者は合理的に反応していたことが明らかにされた。近世日本における金融政策の影響を数量的に検討した研究はなく、本研究成果は極めて重要といえる。また、熊本藩を事例として、幕府のご用命について財政事情が厳しい旨を訴えた上で交渉することで交渉条件を有利に進めていった過程を明らかにした。 近現代担当の結城武延は経営史学会関西部会2016年度部会大会(8月)にて「恐慌と銀行破綻-昭和恐慌における加島銀行の事例-」を報告した。これまで破綻原因が未解明であった加島銀行について、「大同生命文書」を活用することによって、その実態を明らかにした。加島銀行の場合は、資産運用は極めて保守的で放漫経営をしていなかった。しかし、昭和金融恐慌と加島銀行の拡張期が重なってしまったことにより、各店舗で取り付け騒ぎが起こった結果、資金が枯渇してしまったことが破綻の主因であることが確認された。また、加島銀行が清算過程において廣岡家の財産を放出して他の利害関係者の損失を補填することによって、大同生命への影響を最小限に食い止めようとしていたことが明らかとなった。
|
Research Products
(8 results)