2014 Fiscal Year Research-status Report
規模と革新による持続的成長と新たな生産体制に関する研究
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26380538
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
秋野 晶二 立教大学, 経営学部, 教授 (50202536)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 近代企業 / PC産業 / アップル / 受託製造企業 / 企業成長 / 規模の経済・範囲の経済 / ネットワーク型大量生産体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
Chandlerの近代企業の形成・発展と関連付けて、企業成長に伴う企業構造の特徴を整理し、先行研究、特にラングロワを中心にその考え方を整理した。これにより分業構造の下での大量生産体制の形成と企業成長における規模の経済・範囲の経済の活用という近代企業との共通性について明らかにした。 1970年代以降、大量生産体制や近代企業の動揺・変容・解体については、大量生産市場の飽和と分業化された大量生産体制の形成期と位置付けられる。この時期には、生産における緊密な企業間関係の形成、生産工程への情報技術の導入、企業間の情報ネットワークの形成がみられた。 また、現代の生産体制としてPC産業のアップルを取り上げて具体的に研究を行った。80年代前半における大量生産体制の形成と確立、戦略転換に伴う90年代における大量生産体制の動揺とアウトソーシング、2000年代における生産機能の分業化、外部企業の活用による生産ネットワークのコントロールに基づく大量生産体制の確立、多角化と多品種化の推進、コンテンツ・アプリ事業の垂直統合による急成長について明らかにした。 鴻海精密工業の研究も進めたが、2000年代以降を中心に、多角化と国際化による成長の過程を分析するのが中心であった。 また台湾への調査を実施し、90年代後半以降のアウトソーシングの背景となった台湾企業の受託製造業における台頭の解明とサプライヤの実態、生産と設計・開発の連携の実態を解明、鴻海精密工業分析のための基礎的調査を実施した。これらの成果は、2014年の工業経営研究学会全国大会で報告し、すでに2本の論文を執筆し、2015年中には、刊行される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近代企業に関する議論の整理、70年代・80年代における大量生産体制の動揺の実態とその位置づけ、事例としてのアップルの企業研究に基づく、現代の企業成長とその構造についての解明はある程度できた。鴻海精密工業についてはまだ近年の多角化や多国籍化の展開、生産拠点の展開などの実態を明らかにしたのにとどまっている。次年度は鴻海のより詳細な歴史的研究に基づく現代の大量生産体制の形成と企業制に伴う構造の変化と特徴についての解明がまずは残されている。その意味で、おおむね順調ではあるが、なお若干の課題が残されているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、台湾紙・雑誌のデータベース、台湾調査・中国調査などを基礎に、鴻海精密工業の歴史的な実態研究を進める。70年代の創業期、80年代から90年代半ばまでのコネクタメーカーとしての成長と国際化、90年代末以降のEMS事業への展開と急成長、2000年代におけるEMS事業の多角化といった成長プロセスを解明する。とりわけ90年代から2000年代前半にかけてのEMS事業への転換期はその後の急成長の基盤をなすので、この時期の解明を中心に実施する。 前年度のアップル、鴻海の実証分析の枠組みに基づいて、他のPC企業、受託製造企業のデータや情報を収集しながら、歴史的な成長の過程、企業間関係の特徴を分析し、生産体制の構造および各企業の成長の構造の特徴について解明する。また現代の大量生産を支える規格・標準の設定をめぐるコンソーシアムの実態についても、資料を集め、今日の製品開発における階層性を明らかにする。 また、PCメーカー、受託製造業者、周辺機器メーカー、部品メーカーなどを中心に、台湾の調査を継続して実施し、今年はそれに加えて中国企業(上海、蘇州などを予定)の調査を実施すべく、調整を行っていく。これらの調査にあたっては、並行して、当該地域、国におけるPC関連産業や受託製造企業などの歴史的な発展とそれに伴う分業構造との関連について、資料・データを収集し、分析を行う。 前年度同様、内外の研究成果を吸収するため、研究協力者も含めて国内・海外学会等への参加を行う。また研究協力者、関連する研究者とともに定期的に研究会を開催し、研究を深める。また調査・研究成果を随時、学会報告、論文などの形で公開する。ホームページにも可能な範囲で経過と成果を公開する。
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Causes of Carryover |
資料の収集整理に当たって必要として予定していた資料整理や翻訳にかかわる人件費の部分について、今年度は自分で翻訳や整理ができたり、なお資料の整理が不十分であったため、なお未使用であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度には、前年度に未整理であった資料もまだ残っており、また新たに台湾のデータベースの利用を開始し、中国調査、台湾調査も増えるため、これらの調査資料やデータの整理、翻訳作業が増える可能性があるので、そちらで使用する予定である。
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Research Products
(3 results)