2016 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical Research of the Integration Effect of Brand and Consumer Perception on International Transfer of Marketing Knowledge
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26380585
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
滝本 優枝 (金井優枝) 近畿大学, 経営学部, 准教授 (30330351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 正明 明治大学, 商学部, 専任教授 (30252381)
臼井 哲也 日本大学, 法学部, 教授 (60409422)
大森 信 日本大学, 経済学部, 教授 (90337824)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マーケティング知識 / 国際移転 / 消費者 / 統合効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は国際経営におけるマーケティング知識の移転条件を理論的実証的に明らかにしている。国際経営研究では、従来、研究開発における知識移転が主に調査されてきてきた。それは知識が形式化することで、国際移転が容易になると考えられていた。他方、文化や消費特性のような形式化しにくい知識は、どのように移転可能か従前に理解されているわけではない。われわれは、いくつかの先駆的な企業の経験的な取り組みから、マーケティング知識が移転し活用されていくケースを発見した。 本研究はマーケティング知識の国際移転について注目し、これまで国際経営で移転しやすいと考えられてきた研究開発奈緒の形式知ではない、マーケティング知識が含む現地の特有の情報(暗黙知)がどのように移転できるのか、を明らかにしている。本研究はその具体的な内容、またなぜそれが可能なのかというかだについて、ブランドの組織・消費者統合効果という概念を用いて理論的・実証的に明らかにしている。暗黙知を含むマーケティング知識も、条件次第で移転できることを実証的に明らかにしている。 本研究の課題については2つに定式化している。すなわち①暗黙知の移転メカニズムであり、これは既存研究では親会社子会社間の相互作用の頻度で測定されている(Cavusgil et al.2003)。もう一つは②親会社が子会社から知識を学ぶメカニズムである。しかしこれらの既存研究の枠組みでは変数の測定を優先するために、知識移転、学習メカニズムに対する配慮が十分ではないため、本研究は変数の測定ではなく、主にケーススタディによってその作動メカニズムを特定化する。すなわち、暗黙知の知識移転はどのような機能(組織的工夫)によって行われるか、ということである。研究成果は国内および国外に査読付きのペーパーとジャーナルでの発表、および海外での学会発表を行った。また本研究に一部関連した新書を公刊した。
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