2015 Fiscal Year Research-status Report
消費市場のローカリティと現地適応化戦略-理論的検討と実態分析-
Project/Area Number |
26380586
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
川端 基夫 関西学院大学, 商学部, 教授 (60234118)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 現地適応化 / 家電 / 外食 / 地域暗黙知 / 日本食 / 白モノ家電 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、引き続き地域適応化の理論的および実証的な検討を行った。とくに地域暗黙知に関する文献や資料の収集と整理を進めるとともに、海外での実態調査を行った。 特筆すべき成果としては、2016年1月に刊行した単著書『外食国際化のダイナミズム』が挙げられる。この本は外食国際化をテーマとしてその全体的な動向の把握と国際化の核心要因を検討したものであるが、この中で食文化への現地適応化を扱った部分が存在し、その部分に本研究の成果が反映されている。すなわち、第2章では日本の大手チェーンがどのような食文化適応を行っているのか、また第6章ではアジア(韓国や台湾)の外食企業が海外市場でどのような適応化を行っているのかを解明している。これらは、本研究の実態調査の成果である。 平成27年度の実態調査は、海外を中心に行った。具体的には、韓国(5月)、欧州(ドイツ、デンマーク、イタリア、8-9月)と中東(ドバイ、2月)およびアジア(ベトナム、タイ、12月・3月)で実施した。調査内容は、外食企業の適応化を始め、家電製品(とくに白物家電)や家庭用品などの日本製品が海外市場でどのような製品適応化(改変)を行っているのか、またどのようなかたちで(どのような意味づけをされて)販売されているのかを調査し、企業ヒヤリングも行うことで興味深い結果を得ることができた。 これらの成果を踏まえて最終年度に当たる次年度は、現地適応化戦略の理論と実態をまとめたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献や資料収集については、他の領域の思わぬ文献の中に現地適応化の事例を見出す成果もあげており、また実態調査では海外の多様な地域での実例を収集することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる次年度は、まずは理論的な検討を慎重に深めつつ、実態とのすりあわせを行いたい。可能な限り文章化を急ぎ、まとまった成果につなぎたい。
|
Research Products
(6 results)