2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380623
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
藤田 晶子 明治学院大学, 経済学部, 教授 (20227599)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | EDF / 規制負債 / 原子力発電施設解体引当金 / IFRS |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は、大きく2つに区分することができる。 1つは、フランスの共同研究者であるYuri BIONDI氏とともに、東京電力とEDFの調査・分析をおこなった。調査対象は、事業の概要と範囲、電力の輸出など国外との取引、国外での電力事業、業績、規制資産および規制負債である。事業の概要と範囲については、発電・送電・配電のそれぞれの事業における競争状況を調査し、その独占の度合を調査した。国外との取引や国外での電力事業については、EDFのみが対象となるが、とりわけ、フランスとそれぞれの国における電力規制と料金規制を調査し、規制の差異がもたらすEDFの財務数値に対する影響を分析した。規制資産および規制負債、とりわけ原子力発電施設解体引当金をめぐる会計処理とその課題について検討をおこなった。EDFはIFRSに準拠して連結財務諸表を作成していることから、割引率の見直しが財務数値に与える影響を分析した。 もう1つは、IFRSの採用がフランス企業にどのような影響を与えているか、またIFRSの今後をEFRAGの改組とともに検討をおこなった。 とりわけ、当該テーマについて、フランス会計研究の大家であるBernard COLASSE氏を招聘し、経済産業省、金融庁、ASBJと意見交換するとともに、カンファレンスを開催し、日本の会計研究者とともに議論をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、フランスの電力会社に限定することなく、広くアメリカや他のアジア諸国の電力会社にまで範囲を広げて調査研究する予定であったが、いまだフランスから範囲を広げることができないでいる。 その理由は、東京電力やEDFの内部事情がYuri BIONDI氏によるヒアリングでもなかなか解明できなかったことから、フランスの現況を理解するだけでも非常に時間を要していることが主たる理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、東京電力とEDFの調査分析を徹底することに注力し、その成果を広く社会に知らしめるためにカンファレンスを開催する。 そこでの議論をふまえたうえで、アメリカの電力会社の調査研究に適用することとしたい。
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Causes of Carryover |
次年度において、本研究の成果を公表すべく、カンファレンスを開催する予定であり、そのために研究費の一部を次年度に繰り越している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究の成果を公表すべく、カンファレンスの開催を予定している。
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Research Products
(2 results)