2016 Fiscal Year Annual Research Report
Financial Reporting in Markets with Regulated Industries, Primarily the Electric Power Business
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26380623
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
藤田 晶子 明治学院大学, 経済学部, 教授 (20227599)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 規制産業 / 財務報告 / 料金規制 / 電力業界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「規制産業の市場と財務報告-電力業界を中心に-」をテーマとしている。 料金規制下においては、コストにみあった適切な料金を算定するために収益と費用の対応が重視され、企業は、すでに発生した費用のうち次期以降の料金収入に対応する額を資産(規制資産)として繰り延べ、反対に、当期の料金収入のうち次期以降の発生費用に対応する額を負債(規制負債)として繰り延べることがある。 こうした料金規制下にある産業は各国の経済において重要な割合をしめ、会計基準上は資産負債アプローチが偏重されるなかで、開示規制と料金規制の相互関係という重要かつ喫緊の検討課題に直面していると考え、本研究テーマのもとで科研費を申請した。 本研究は、とりわけ日本基準を採用する東京電力とフランスの電力会社であるEDFを題材に、開示規制と料金規制との関係を調査研究した。原子力発電所を数多くEDFは、連結基準としてIFRS、個別基準としてPCG(プラン・コンタブル・ジェネラル)を採用するとともに、エネルギー規制委員会(CRE)の規制をうける。資産負債アプローチをとるIFRSのもとでの財務報告と、料金規制の基礎を提供する収益費用アプローチ重視のPCGやCREによる規制との相互関係を研究するには貴重な研究対象である。 最終年度となる今年度は、これまでの研究成果として、Yuri BIONDI氏(Tenured Research Fellow ESCP Europe, France)および小賀坂敦氏(企業会計基準委員会ASBJ副委員長)をお招きし、国際シンポジウム(通訳付き)を開催した。BIONDI氏からはEDFの財務報告と料金規制の実態、それに対する分析結果について研究報告があり、小賀坂氏からは規制産業の会計基準をめぐる各国の動向が紹介された。
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Research Products
(3 results)