2015 Fiscal Year Research-status Report
震災後の生活と将来認識 ―ネットワークと社会階層に関する実証分析
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26380655
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
村瀬 洋一 立教大学, 社会学部, 准教授 (50301578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 慎一郎 大分大学, 経済学部, 准教授 (60315314)
飯島 賢志 熊本県立大学, 総合管理学部, 講師 (00380676)
橋本 摂子 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (70323813)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会階層研究 / 東日本大震災 / 福島原発事故 / 社会ネットワーク / 地域比較 / 関係的資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
福島市において震災後の生活や意識に関する統計的社会調査を実施した。予算の制約のため、本研究費では6月初めに、福島大学の研究者と協力しつつ、福島市中心部における調査を実施した。また、6月半ば以降に、立教大学内の予算により、福島市郊外にて調査を行った。福島市調査全体としては、2100人を対象とし回収率は69%である。最近の社会調査としては十分な成果といえる。 他の予算により2013年度までに、仙台市と、仙台市北部に隣接する郡部での社会調査を実施している。また昨年度までに、本研究費により、東京都における調査を実施しており、それと比較可能なデータを作成することができた。回収作業は一部を郵送で行い、2015年7月までに、福島大学と協力しつつ実施し、ほぼ回収を終えることができた。調査会社に委託はせず、調査員を直接管理し、予備サンプルや補充サンプルというものを用いずに、当初予定した調査対象者のみから厳密に回収を行い、調査実施法の技術を蓄積することもできた。データファイル作成作業と、基礎的な分析は終え、震災後の生活や意識に関する社会調査として貴重なデータを得ることができた。本格的な分析は次年度以降の予定だが、基礎的な分析結果と「調査員の手引き」や調査票については『行動科学と計量社会学 立教大学社会学部社会学科村瀬ゼミ 2015年度報告書』の巻末資料として掲載した。また、研究代表者は、既に、アメリカ社会学会における国際的な成果発表を含む形で研究成果を発表し、十分な成果を挙げたといえる。今後はさらなるデータ分析を行う。 震災により引っ越した人達が調査対象から外れることを避けるため、昨年度と同様、人口分布にもとづくエリアサンプリングとしたが、地点抽出は人口に比例して抽出されるようにしており科学的な無作為抽出となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
科学的な無作為抽出を伴う、福島市における独自の統計的社会調査を終え、回収率も約7割であり、十分な成果を挙げることができた。調査会社に丸投げするような調査ではなく、大学の研究者が独自に主体的に社会調査を行い、直接調査員を管理して正確な社会調査を実施した。調査方法論の蓄積も行うことができた。仙台市や東京都など、他の地域と比較可能な形で調査結果を得ることができ、近年の社会調査としては十分な実績であると考える。また、データ分析も順調に進め、既に米国社会学会等における成果発表も行うことができた。分析結果の一部はweb上で一般に公開している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、東京都、仙台市、福島市における社会調査を実施し、データファイル作成がほぼ終わっている。十分なデータを得て、基礎的な分析は終わったので、今後はさらにデータ分析をし、日本社会学会等における成果発表に重点をおく。また海外における国際学会での発表も重視する。2016年度末までに調査報告書を作成し、さらに学会発表や学術論文の作成を行う。報告書をもとにした学術書の出版も、その後に行う予定である。
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Causes of Carryover |
2015年度末に、データチェック作業やコーディング作業を進めるために人件費を用いたが、3月は学生アルバイトの人手があまり集まらず、一部の作業が4月以降となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、調査結果のデータチェック作業や、一部の自由回答や職業に関してコーディング作業を行うために人件費を使用する。
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Research Products
(16 results)