2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380683
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
藤村 美穂 佐賀大学, 農学部, 准教授 (60301355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲岡 司 佐賀大学, 農学部, 教授 (60176386)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 水田漁撈 / 米の伝統的品種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、雨期(夏期)に調査を行い、調査村における基礎データ(世帯状況)の更新を行うとともに、特に米の栽培についての聞き取り、および村内全小学生を中心とした食生活の調査を行った。また、近隣の村(他のオイ族の村)についての米栽培の情報を入手した。食生活のデータについては、同村で行った2006年のデータが存在し、今後、比較分析を行う予定である。 米については、伝統的品種とハイブリッド米の栽培方法の違い、入手方法、移行時期、移行理由などについての聞き取りとともに、数世帯への調査によって農薬や肥料の使用などについての傾向を把握した。現在のところ、ハイブリッド米は栽培時期が短いことなどから、ハイブリッドを選択する傾向もあるが、これは、村が米を商品作物として位置づけているか自給用と位置付けているかによって異なることがわかった。また、その背景には、世帯当たりの水田面積などが関連しているようであるが、今後は、このような対応の背景についても調査していく必要がある。 成果発表としては、これまでの成果を「“農的自然"に流れる時間」(環境社会学研究21号)として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りデータの収集を行った。ただ、調査補助者、連携研究者の同行が少なかったため、得られたサンプル数が少なかった。また、本調査は保健省に強力のもとに行われているため、農業関係の行政資料を入手する手続きが完了していない。これらの点については、最終年度の前半に精力的に情報収集を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、農業関係の行政データの収集に努めるとともに、世帯における水田利用のデータおよび食糧入手の現状についてのデータを収集したい。また、昨年度から翻訳を続けているオイ族資料(慣習法と歴史)の翻訳とその内容確認を完成させる予定である。また、オイ族の調査を行っている考古学チームとも連携・情報交換しながら、広くオイ族全体の米の栽培や自然資源利用についてのデータを収集し、それと水田漁撈を関連づける予定である。 さらに、農薬や肥料の入手先であるプランテーションでの労働、プランテーションによる水環境の変化についても聞きとりを行い、最終的なまとめに入りたい。成果については、ラオス国内で開催される国際学会で発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初は、雨季、乾季の両方で複数人での調査に赴き、データを収集する予定であったが、雨季に協力者が参加できなかったこと、データ分析に時間がかかり乾季調査の準備にいたらなかったことにより、これらの現地調査を次年度に延期した。その結果として、調査に必要な物品費や旅費の使用が次年度にもちこされることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、研究協力者の参加も確定しており、現地調査を行うことが可能である。また、それと並行して、翻訳とデータ分析を行い、まとめる予定である。秋にはラオスでの国際学会での成果報告も予定している。
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