2018 Fiscal Year Research-status Report
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26380770
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
岩井 阿礼 淑徳大学, 総合福祉学部, 准教授 (50348348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 範子 上智大学, 経済学部, 教授 (50286134)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 障害者就労支援 / 工賃向上 / 授産製品 / 販売促進 / ICT / 倫理的消費 / 援助 / 共感性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、ECサイトにおける授産製品の購入についてインターネットユーザーを対象とした量的調査と、エリア限定の広報用SNSアカウントの運用による効果測定を行う予定であったが、後述の理由から、その前段階に留まっている。具体的には、次年度の調査の準備として大学コミュニティで行われている授産製品出張販売に関するコミュニティメンバーの経験についての質問紙調査を分析して基礎的なデータを整理し、授産製品の購入に影響を与える心理的要因の構造についても、より精緻な分析を行った。 大学コミュニティにおける授産製品の出張販売については、全体的な購入経験率、販売の時間や場所の認知、購入する理由および購入しない理由の因子構造、許容する価格の上限について分析した。回答者のうち4割程度が購入経験をもつが、このうち販売日時や場所を知らないまま購入している「通りがかりの購入者」が購入経験者の少なくとも1/4をしめることが示されたこと、授産製品を購入する理由は4因子構造であったが、各因子を構成する項目の平均得点において「その時の気分に合っていた」という要素を含む「フィット因子」関連項目の平均得点が「味や価格」などの「実利」因子関連項目につぐ高得点であったことで、「偶然の出会い」の確率を上げることが販売促進に与える影響について調査する必要性を示すことが出来たと言えるだろう。 心理的要因については、倫理的消費に対する態度の因子構造の分析、倫理的消費に対する態度・援助規範意識・共感性といった心理的要因と購入経験の関係及び、心理的要因相互の関係性について分析した。購入経験がある回答者のグループとないグループでは、購入経験のあるグループの方が有意に倫理的消費に対する態度が肯定的であったが、援助規範意識・共感性については有意差がなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
近親者の健康問題によって支援の必要性が生じたことと、研究代表者の体調不良により研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に行うことのできなかった、ECサイトにおける授産製品の購入についてのオンライン調査と、エリア限定のSNSアカウントの運用による効果測定を行い、報告書を作成する。 ICTを利用した授産製品の販売を行っている先進的な施設の事例研究についても、報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、研究の遅れにより予算を要するいくつかの調査および報告書の作成が次年度に持ち越されたことによる。次年度にSNSによるエリア限定広報活動の効果測定、授産製品購入のオンライン調査、ケーススタディを行い、報告書を作成する経費として使用する。
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