2014 Fiscal Year Research-status Report
教育実習生の注視点映像によるリフレクションが授業に及ぼす効果
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26380888
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
有馬 道久 香川大学, 教育学部, 教授 (10151185)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 視線行動 / リフレクション / 教育実習生 / 熟練教師 / アイマークレコーダー |
Outline of Annual Research Achievements |
授業中,教師は絶えず何かを見て,思考し,判断している。授業力の高い教師と初任教師はこれらの過程のどこが異なるのか。どの子どもをどのように見るかという視線行動か,視線を向けた子どもについての思考・判断の内容か,それとも視線行動と思考・判断の両方が異なるのか。本研究は,教師を目指す教育実習生に授業力の高い教師の視線行動と思考・判断の仕方を伝授することによって,彼らの視線行動と思考・判断行動の向上が図れるかどうかを検討することを目的とする。そのために本年度は,授業者の視線行動を計測する装置の購入と視線計測のプログラムの試作を行った。 教室という3次元空間の中での視線行動を記録するために必要な性能は,①教室全体が視野となるレンズ角度の選定,②視線対象までの距離を確定できる両眼視差を利用するために左眼・右眼の両眼検出ユニットの採用であった。つぎに,教室内を移動しながら授業を行う教師の視線行動を測定できる携帯型のEMR(アイマークレコーダー)とするために,カメラユニットとコントローラ(録画ユニット)を教師の身体に着用できること,すなわち,両ユニットをケーブルで繋ぐ方法は避けることを条件に,メールでの相談を挟みながら4月と5月の2回にわたって実験室でデモンストレーションをしながら選定した。 EMR(アイマークレコーダー)が納入された後,11月に大学の授業を利用して,納入業者の説明指導を受けながら機器の操作及びキャリブレーションの習熟のためのデモンストレーションと録画の練習を行った。 その後,注視点(視線対象者)ごとの視線停留時間の計測,及び視線の移動軌跡の記録が行える視線行動計測のプログラムを試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
携帯型のEMR-9(アイマークレコーダー)の仕様決定と操作方法の習熟に想定していた以上に時間がかかり,その間に本研究の主たる対象である教育実習生の教育実習期間がすでに終了してしまった。そのため,当初の研究計画にあった教育実習生による授業に関するデータ収集を試みることができず,少し遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
教育実習生の授業中の視線行動の注視点とその移動の特徴を現職教員のそれと比較しながら明らかにすることを目的とする。 方法としては,まず,香川大学教育学部3,4年生の教育実習生と比較群として現職の教員を研究協力者とする。手続きは,①各授業者の頭部にアイマークレコーダEMR-9を装着し,算数もしくは国語の授業を行ってもらい,授業者の視点から授業を撮影・録画する。②授業後に,授業者視点映像を見ながら,誰に対してどのような意図で視線を向け,どのような情報を得て,何を考えたかを思いつくままに振り返ってもらい,それをすべてカメラ付きICレコーダーによって録音する。カメラ付きとしたのは,当該発言が始まった際の授業者視点映像を録画するためである。 分析にあたっては,まずいくつかの場面に絞る。たとえば,①発問場面:教師が発問し,子どもがそれについて考えている場面,②発表場面:ある子どもが発表し,他の子どもたちがそれを聴いている場面,③ノート場面:出された課題に対する解答をノートに書いている場面などである。抽出した場面におけるアイマークレコーダEMR-9で収集した視線データをもとに授業者が「誰を」どのような意図でどのくらい注視していたか,視線はどのような順序で移動していたか,などを分析する。それらの指標について教育実習生と現職教員の比較を行い,教育実習生の視線行動と思考・判断の特徴と課題を明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究初年度にあたる本年度(平成26年度)は,研究実施に不可欠の機器であるモバイル型眼球運動計測装置(EMR-9 アイマークレコーダー)を購入した。納入業者と仕様及び附属品の購入について相談した結果,最終的に予算内に収まり,8,400円が残額として残ることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の残額8,400円は,次年度以降の研究実施において主に旅費や謝金の一部に当てる予定である。
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Research Products
(1 results)