2017 Fiscal Year Annual Research Report
Reflection on the gazing points using the video recording picture from the teacher's perspective
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26380888
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
有馬 道久 香川大学, 教育学部, 教授 (10151185)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 視線行動 / リフレクション / 教育実習生 / 熟練教師 / アイマークレコーダー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、授業中の教師の注視点を測定し、注視点が児童の学力や学習態度とどのように関連しているのかを分析した。対象は、香川県内の公立K小学校に勤務する教職経験16年の女性教師1名とこの教師が担任するクラスの4年生児童17名(男子7名、女子10名)であった。まず授業前日までに、当該教師は、児童の算数の学力と授業中の学習態度について、それぞれ5段階で評定した。そして当日、算数の授業「表を使ってだれかを考えよう」を行った。授業中は教師の頭部にアイマークレコーダEMR-9(nac社製、本科研費により購入)を装着し、教師の視点から授業録画を行った。授業日の放課後、録画映像と音声を視聴しながら注視児童を呼称してもらい、録音した。 集計の結果、学力5の児童(6名)に対する平均注視頻度は15.2回、学力4(1名)は6.0回、学力3(3名)は6.7回、学力2(4名)は19.8回、そして、学力1(3名)は19.7回であった。以上のことから、学力が中程度(3と4)の児童に対する注視頻度が他の学力児童に比べて35%程度とかなり少ないことが分かった。また、学習態度との関連を見ると、学習態度5の児童(3名)に対する平均注視頻度は6.7回、学習態度4(4名)は11.8回、学習態度3(5名)は20.0回、学習態度2(3名)は19.7回、そして、学習態度1(2名)は14.5回であった。学習態度5の児童への注視頻度は他の学習態度の児童の約40%に止まることが分かった。さらに、学力と学習態度をクロス集計した結果、最も注視頻度が多かったのが、学力が5で学習態度が2の男子2名で平均22.0回であった。一方、最も少ないのは、学力が3で学習態度が5の女子3名で平均6.7回であることが分かった。 今後、授業を「教師の説明場面」や「児童が個別に課題を解く場面」などに分けたうえで、より詳細な集計分析を行う予定である。
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