2015 Fiscal Year Research-status Report
発達障害等による困難を抱える子どもの主観世界と子ども理解の方法論の検討
Project/Area Number |
26381019
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
土岐 邦彦 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (50172143)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 博俊 都留文科大学, 文学部, 名誉教授 (10145708)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 発達障がい / インタビュー調査 / 自己の育ち |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度、本研究は以下の2点を中心に研究活動を行った。 1 研究代表者(土岐)および研究分担者(森)が、それぞれのフィールドにおいて「発達障がい等の困難を抱える」青年のインタビュー調査や観察を継続し、その経過を日本教育学会ラウンドテーブルおよび全体研究会で報告し、対象とした青年の「自己の育ち」について深める。 2 上記の報告を含め、特別ゲストにも本研究テーマに即した話題提供を依頼し、定期的に研究協力者も含めた全体研究会を開催する。
1については、前年度と同様、土岐が障がいのある青年たちが参加する演劇活動が、彼らの友人関係にどのように影響するかを分析し、また森が知的障がい青年のライフストーリーを聴き取ることを通して、インタビュー調査の意味と可能性を検討した。2については、2015年5月、12月、2016年3月と、計画通り3回の全体研究会を開催した。このうち5月は森の報告とともに、特別ゲストとして招聘した田中哲氏による「発達障がいのある子ども理解に関する医学の現状と課題」と題した報告を通して、医学的な側面からの障がい把握の現状について学んだ。8月は特別ゲストの丸山啓史氏から社会教育的な視点から「子ども・青年における魅力的な経験の持つ意味」について報告を受けた。さらに2016年3月には、二人の特別ゲストを招聘し、社会学の立場から高口僚太朗氏による「慢性の病いを抱える青年の生のリアリティ」について、および発達心理学の立場から加藤義信氏による「ワロンの発達理論」について報告を受けた。 本研究は臨床教育学的な視点から発達障がい等の困難を抱える青年の「自己の育ち」について検討を進めているが、本年度は、医学・社会教育・社会学・発達心理学という近接領域からの知見を学ぶことができ、多面的な視覚からテーマを深めることができた。次年度(最終年度)に向けて有意義な研究活動になったと思われる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者および研究協力者と密に連絡を取り合いながら研究を進めることができた。また多様な専門家によって学際的な話題提供をいただいたことにより、研究内容に深まりを感じることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は研究最終年度であるため、研究成果をまとめることを大きな目的とする。そのために、来年度も3回の全体研究会を開催する予定にしているが、研究代表者・分担者・協力者からの研究成果の報告を中心とした研究会にしていく。
|
Causes of Carryover |
調査の回数が少なかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタビュー調査の回数及び対象者を増やしていく。
|