2017 Fiscal Year Annual Research Report
A panel survey of the Life Course of Teachers
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26381042
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
山崎 準二 学習院大学, 文学部, 教授 (50144051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 文彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (30216288)
長谷川 哲也 静岡大学, 教育学部, 准教授 (90631854)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教師 / ライフコース / 質問紙調査 / インタビュー調査 / 量的統計的分析 / 質的事例的分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の終了年度の課題は、これまで継続的にライフコースの聞き取りを行ってきた対象者(現職教師)に対して前回調査以後の経験を聞き取る補充調査を行うことと、その結果と照らし合わせながら、研究初年度に実施した質問紙調査結果の再分析を行いつつ、今日、教師たちの職業生活上及び私生活上の抱える諸問題、生涯にわたって教師として発達し力量形成を遂げていく上で必要とされる事柄等を整理すること、さらには教師が実践経験の中で自己形成していく専門的力量の内実(実践知)の解明も試みることであった。 第7回目(5年間隔)にあたる質問紙調査は、年齢・性の異なる676名から回答が寄せられ(回収率:32.8%)、今回は特に、教育実践上における困難点について「子どもの学力差に対応」と「特別に支援を要する子の指導」の2項目に回答が集中したことが大きな特徴であった。また、今回から新しく設定した「転機をかかる言葉・思いに関する質問」結果からは、教育専門職者としての〈実践知〉が、困難な状況を打開していく上で機能する知であるとともに、新たな実践創造を支え・促していく上で機能する知として、解明していくことの重要性が明らかとなった。 第3回目(10年間隔)にあたるインタビュー調査は、年齢・性の異なる11名の現職教師に対して実施したが、40歳代を迎えた中堅期教師たちが、従来のインタビュー調査では、様々な問題(障害や不登校、問題行動など)を抱える子どもとの格闘・交流の中で自らの教師としての発達を実感してきた経験(職業時間上の経験)を多く語っていたことに対して、今回は夫・妻ないしは自分自身のリストラ・病気等や、自らの子どものいじめ・不登校等の経験(家族時間上の経験)が多く語られ、中年期における問題が浮かび上がり、今後、職業時間上の経験だけでなく個人時間や家族時間上の経験も結び付けた教師の発達研究の重要性が明らかとなった。
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[Book] 教師教育研究ハンドブック2017
Author(s)
山崎準二(分担執筆):日本教師教育学会編
Total Pages
418(10-13,18-21)
Publisher
学文社
ISBN
978-4-7620-2735-2