2014 Fiscal Year Research-status Report
官立高等教育機関設立過程の地域史的研究――「学都」の形成と展開――
| Project/Area Number |
26381050
|
|---|
| Research Institution | Doshisha University |
|---|
Principal Investigator |
田中 智子 同志社大学, 人文科学研究所, 助教 (00379041)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | 旧制高等学校 / 高等教育 / 地域史 / 地方紙 / 学校誘致 / 高等中学校 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
以下の各地公共機関を訪れ、研究実施計画に従って主に九州・中国・四国・関西方面の府県会議事録および地方紙等の収集を行った。
①広島県文書館および呉市中央図書館：『芸備日報』・『芸備日日新聞』、広島県会日誌（広島高等学校関連）。②岡山県記録資料館：『山陽新報』（岡山高等学校関連）、③愛知県公文書館：『金城新報』（第八高等学校関連）、④高知県議会図書室および高知県立図書館：高知県会議事録、地方教育史文献（高知高等学校関連）、⑤兵庫県公館：兵庫県会議事録（姫路高等学校関連）、⑥国立国会図書館：『佐賀新聞』（佐賀高等学校関連）、『福岡日日新聞』（福岡高等学校関連）、『土陽新聞』（高知高等学校関連）、『海南新聞』（松山高等学校関連）。
いずれにおいても、実際に高等学校が設立された前後の時期に視線を限定するのではなく、1880年代後半の高等中学校設置問題の時期から史料検索を行い、両件の連続性を「学都」観・地域アイデンティティ形成の観点もからめつつ、確認している。
なお年度の初めには、松本市旧制高等学校記念館における2013年８月の夏期教育セミナー基調講演「官立学校と地方都市―高等中学校の設置実態から考える―」』が刊行された。ここでは、第一から第五までの高等中学校設置時の地域動向を概括するとともに、松本高等学校・新潟高等学校・山口高等学校・山形高等学校・水戸高等学校・弘前高等学校・浦和高等学校などの設置経費支出状況を整理して示した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度より海外調査を行うことを計画していたが、作業効率を考えて、まずは国内の資料収集に集中した。結果、西日本（九州・中国・四国・近畿）方面の府県会議事録および地方紙の収集に関し、見通しをつけることができた。
2013年度までの先行する科研課題に取り組んだ折の史料調査の経験を活かすことができた。
|
| Strategy for Future Research Activity |
経費面および労力面において効率的な国立国会図書館新聞資料室は、これまでの通り大いに活用し、引き続き地方紙記事の網羅的収集に努める。
海外調査は2015年度にできるだけまとめて行う。
個別の調査成果・研究全体をまとめ上げることを念頭におく。そのため具体的には、論考の執筆を2015年度の重点課題とする。
|
| Causes of Carryover |
効率的な史料収集のため、国内関連機関における調査に集中し、海外調査を次年度以降に回したことによる。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度において、引き続き国内史料の収集を精力的に行うとともに、ソウルおよび台湾・旅順における調査を実施する。
|
Research Products
(2 results)
