2015 Fiscal Year Research-status Report
地域変動下における世代間循環の再生と社会教育に関する研究 -九州の視座から
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26381086
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡 幸江 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (50294856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 千秋 熊本大学, 教育学部, 准教授 (10346744)
金子 満 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (10513161)
恒吉 紀寿 北九州市立大学, 文学部, 准教授 (20285456)
上野 景三 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (30193824)
長尾 秀吉 別府大学, 文学部, 准教授 (40336053)
植上 一希 福岡大学, 人文学部, 准教授 (90549172)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 方法としての九州 / 広域自治 / 自治体間協働 / 諸権利の剥奪 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基本的問題関心は、1)昨今の地域をめぐる状況を、明治以来の地方自治システムの転換点と仮定し、自治体合併・学校統廃合に焦点をあてて地方教育計画の視点からとらえること、2)被合併地域に進行する生活環境の悪化、またそこにおける地域発の新たな取り組みを直視すること、3)剥奪状況がひろがる"ここで生き続ける権利"を守るために社会教育になしうる役割とは何かを考えること、にある。 このため、平成27年度においては、前年度から行ってきた大分県日田市(中山間地モデル)・長崎県小値賀町(離島モデル)・福岡県福岡市(大都市モデル)での調査をもとに日田市・福岡市に関する追加調査を行いつつ、今回は特に日田市の事例に即するかたちで、9月の日本社会教育学会共同報告「九州における地域変動と社会教育(その1)」にむけて第一弾のまとめの作業を行った。 今回特に議論において重視したのは、統治機構としてではなく、複合的な自治の単位としての「リージョンとしての九州」をどう構想できるかという点にあった。そのために九州の特殊性を考慮にいれつつ、福岡都市圏を中核に、ブロック単位として日田市を位置付け、関係構造のなかでとらえるための基礎作業を試みた。また日田市においては合併により自治体内での中央ー周辺構造も存在しており、人口等資源の集中の状況と、分散をはかるしくみの状況をとらえようとした。 また今回日田市をピックアップしたことにより、とくに中山間・被合併地域における急速な権利の剥奪状況がうきぼりになるとともに、廃校活用・公民館を含む自治体としての地域対策の状況とその意味、また住民側の"生き続ける権利"を守るためのうごきが具体を持ってうきぼりになった。次年度における論理化にむけて、重要な礎をなしたのではないかと思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、初年次に計画策定、2年目にあたる平成27年に各地への地域を各モデル担当者を中心に予備的に行う予定であったが、研究の方向性をみさだめ、論点を整理するために、初年度に可能な限り参加者全員での各地への調査を行い、情報の共有をおこなうとともに、その共有された情報をベースとした議論によって論点整理を行った。 それをもとに平成27年は補足調査と、研究の方向性を焦点化するために、学会発表に向けての議論・発表・学会での議論・それをうけての方向性の再整理を行っていった。 進行の過程については当初計画を修正したが、特に学会発表にむけて、九州各地から集まって月1回・終日ペースの議論を重ねたことにより、めざす方向性が明確化・共有されていった。これにより、本研究は順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、来年度において研究期間満了となるが、研究フレームが従来の地域社会教育研究の根本を問い直すものであること、また3か所におけるモデル調査を全員で行いながら別途研究会を並行していくというスケジュールにおいても3年間で完遂できるものではなく、当初計画においても続く次期の研究費獲得を予定していた。予定通り、本研究期間3年間においては、モデル調査と理論研究そして議論を重ねながら、「方法としての九州」かかわる社会教育学的論点、またその中心的課題としての「自治」「権利」をめぐる論点の明確化までで平成28年度の研究を進行することを予定している。 ただし、それにあたっても小値賀町への調査は不十分であるためその追加調査、また福岡市についてもこの間すすめたのは情報収集と論点整理にかかわる識者へのインタビューであるためより地域にねざしたデータ収集をどうするかが。平成28年度には課題として残っている。
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Causes of Carryover |
当初最終年度はまとめの議論を中心とし調査活動は予定していなかったが、最終年度もちこしの調査があらたに予定された。 また2年度めのまとめについて、平成28年5月刊行予定で作成を行っており予算執行は平成28年度となったため、予算を繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2年度め報告書として約15万、調査経費として約15万を追加で予定している。
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Research Products
(2 results)