2015 Fiscal Year Research-status Report
小学校における「言葉の力」へと連続する保小連携カリキュラムの開発と実践
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26381110
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Research Institution | Seiwa Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
飯島 典子 聖和学園短期大学, その他部局等, 准教授 (40581351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 嘉子 尚絅学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80447119)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 幼保小接続カリキュラム / 幼児教育 / 認定こども園 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は小学校学習指導要領低学年の国語科、算数科、生活科のねらいに系統的に連続する5歳児用の幼保小接続カリキュラムを開発した。従来の教育カリキュラムが3~4期で分けて構成されているのに対し、幼児教育においては段階的発達と深化の2軸で構成するいことでより質の高まりをねらいに取り込めるようにした。 この幼保小接続カリキュラムを教育目標として認定こども園の5歳児で実際に保育を行った。 保育の効果検討は幼児期から小学1年生の家庭教育調査(Benesse,2012)、就学前児の社会的スキル(高橋ら,2008)、幼児用レジリエンス尺度(長尾ら,2008)、児童の学習意欲尺度(柴山,2006)などを参考に小学校の学びの基礎力質問紙を作成した。調査対象の5歳児クラスの園児一人ひとりについて担任がどの程度小学校の学びの基礎力を身につけていると思うか「大変あてはまる(5)」から「あてはまらない(1)」の5段階で評定をもとめた。また、同じ質問紙を小学校1年生の児童についてもクラス担任に評定をもとめ、その差から学びの基礎力が小学校教育とどのように連続するか検討を行った。 その結果、学びの基礎力に対する評価は小学教諭よりも幼稚園教諭の方が高かった。しかし有意傾向だったが「分からないことでも、すぐにあきらめずにいろいろと考える」などの項目は小学校教諭の評価の方が高かった。この結果の背景には幼稚園教諭は幼稚園最上級学年としての到達を評価しているため高くなり、小学校教諭は6年間の初年度という観点から評価しているため低くなるといった、学年の位置が関係しているのではないかと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幼保小接続カリキュラムの開発は順調である。しかし、その効果検討の指標として保育者と教師による同一の質問紙項目に対する評価を用いたとしても、幼稚園教育と小学校教育の質的な差から学年の増加に伴う効果の増加といった増加型の教育効果を見出すことがでていない。このように、幼児教育の効果を現す指標が未開発となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
幼保小接続カリキュラムが幼稚園教育で実践可能なものであるよう精査を続ける。それとともに、平成27年度調査における保育者、教師評価ではなく、幼児および児童自身が現在の学習準備状態を評価できるような自己評価をもとに教育効果を検討できるよう指標について再度検討する。
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Causes of Carryover |
平成28年3月に小学校質問紙調査および幼稚園質問紙調査を依頼したところ、クラス担任がクラスの全児童および全幼児を評価することは大変負担が大きいことから記入期間を長く設定するよう依頼された。そのため、質問紙の回収が終了していないことから当初支払予定の謝金が未払いとなっている。 また、平成27年度はクリッカー調査から質問紙に変更したことでクリッカーの追加購入を次年度へ繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
質問紙の回収に従い順次、謝礼を支払う。 平成28年度に繰り越したクリッカーの追加購入を行い、児童と幼児それぞれについて学びの自己評価検討を行う。
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Research Products
(3 results)