2017 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of developing curriculum and early childhood education which is continuous with children's verbal skill for elementary school education
Project/Area Number |
26381110
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Research Institution | Seiwa Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
飯島 典子 聖和学園短期大学, その他部局等, 准教授 (40581351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 嘉子 尚絅学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80447119)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学びに向かう力 / 感情理解 / 幼児 / お話作り / 協同的活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの調査から就学前教育でより一層育むべき資質、能力は「学びに向かう力の基礎」であると思われた。「学びに向かう力」は主体的に学習に取り組む態度だけでなく、自己の感情や行動を統制する能力、自らの思考の過程を客観的に捉えるなど、いわゆる「メタ認知」に関する力である(文部科学省,2016)ことから、平成29年度は幼児の感情理解の発達を育む保育として5歳児クラスにおいて絵本づくりを年間保育カリキュラムに位置づけ定期的、発展的に実践した。そして、時間的広がりをもった感情理解や感情理解と向社会的行動の育ちから保育カリキュラムの有用性について検討を行った。また、幼児のやる気を引き出す保育者の援助として「ほめ言葉」の経験年数による活用の違いについて検討した。 その結果、絵本作りでは感情理解にもとづくエピソードが複数産出され、内容は予定的未来から生じる感情や、登場人物間で他者の感情状態を「知っている」という複雑な理解、ネガティブな感情は表出しない表出コントロールなど多様であった。ここから、5歳児クラスのお話作りでは論理的思考にもとづいて構成されるようになると思われた。 また、お話作りで考えた登場人物のポジティブな感情をきっかに仲間にも同じ思いをさせたいとクラス活動へと発展した。実現への意欲は他児を喜ばせたいという思いが動機付けとなっていたことから、絵本作りで他者のポジティブな感情を想像することは日常場面での向社会的行動へと繋がると思われた。また、このような心の発達が小学校への仲間関係の基礎になると考えられた。 保育者の「ほめ言葉」調査からは、保育者は自己の賞賛獲得欲求などとは関係なく子どものためにほめを産出していた。さらに、経験年数の増加にしたがって産出数が増加することがわかった。ここから、子どもをほめることは保育技術の1つであり、就職後に獲得していくと考えられた。
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Research Products
(7 results)