2016 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical Study about the Structure of Human Rigths Education Practice
Project/Area Number |
26381116
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Research Institution | The Institute of Buraku Problem |
Principal Investigator |
梅田 修 公益社団法人部落問題研究所, その他部局等, 研究員 (90111905)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人権教育 / 人権としての教育 / 人権についての教育 / 人権意識 / 人権感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)国際的な人権教育の分析ー八木英二は、「国連人権教育の10年」以降の国連の人権教育のとりくみを分析し、人権教育に対する国連のスタンスは「強制」ではなく「広報」にあること、国際的合意形成に見る人権教育は、「人権としての教育」がまずあって、そこに狭義の「人権についての教育」も位置づく構造であること、権利侵害につながりかねない特定の教育方法の押しつけは避けねばならないことを明らかにした。生田周二は、「ドイツの教員養成大学における共生教育(市民性、価値教育等)に関する調査」の一環として訪問したフライブルク大学での政治教育関連の授業を分析した。 (2)自治体における人権教育方針の分析ー川辺勉は、地方自治体の人権教育・人権啓発を分析して、人権の理解が不十分なままに人権意識・人権感覚という用語が使用されると誤った人権意識・人権感覚の形成につながると指摘し、人権意識を二つの側面(社会的関係・人間的関係)から捉えるべきことを提唱した。梅田修は、和歌山県における人権条例・人権施策基本方針を分析し、人権施策の基調が「人権教育・人権啓発」と「相談・救済活動」の二つに限定されていること、「人権教育・人権啓発」の内容も「人権意識(人権尊重の精神)の高揚」が基調になっていることを明らかにした。 (3)人権教育実践の分析ー川本治雄は、人権認識は社会認識に裏づけられた人権についての認識(人権認識)であり、社会認識の一環であるという位置づけを前提にした上で、焦点になっている行動・態度について、学ぶべき知識とその過程で獲得されるスキル、そしてそれらを統合したものとして行動・態度を捉えるべきだとし、具体的には作品(パフォーマンス)という形で表現されると指摘した。 以上の研究成果は、『部落問題研究』第220輯(2017年)に論文として掲載した。
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Research Products
(5 results)