2017 Fiscal Year Annual Research Report
A comparative study on legalization of lifelong learning policy in China
Project/Area Number |
26381121
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上田 孝典 筑波大学, 人間系, 准教授 (30453004)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生涯学習 / 終身教育 / 社区教育 / 終身教育促進条例 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、中国の地方レベルで進む生涯教育に関する条例化の動きに対して、3つの課題を設定した。 第1に、条例制定の背景についてであるが、上海と寧波市で条例制定の関係者へインタビュー調査を行った。その結果、条例として法制化することの主な目的として、予算の確保と施設建設や事業運営の継続的な実施、三層構造(区・街道・社区)による組織的管理体制の構築において、明文化される必要があったことが明らかとなった。 第2の課題である条例の内容分析であるが、各地の条例については、現時点で公布されている福建省、上海市、太原市、河北省、寧波市の各終身教育促進条例及び成都市の社区教育促進条例を日本語訳し、報告書に付録した。それぞれの内容の詳細な比較検討には至らなかったが、概観すると類似点は多々あるが、管理、監督、罰則規定の扱いや関係者による協議組織(促進委員会など)の設置など若干の力点の違いが見える。こうした違いは制定の早かった福建省や上海市を参照しながら、そのほかの地方条例が現状に照らして修正を加えたことや省レベルと市レベルといった行政レベルの差も影響していると考えられる。例えば上海では三層構造が緩やかにつながりながらも独自の事業を展開し、各地で取り組みの多彩さがみられるが、寧波市では三層構造が強く結び付きながら上下関係を構築し、指導管理体制が取られていることなど、各年ごとの特徴とも関連している。 第3に、日本や韓国との国際比較について、最終年度に日本、韓国、中国、台湾の4地域の研究者で東アジア生涯学習研究フォーラムを開催した。中国を除く3地域では、それぞれ国家レベルでの「社会教育法」「平生教育法」「終身学習法」が制定されており、教育制度に組み込まれている。また日本と韓国では、専門職制度によって職員体制が構築されている。こうした点において違いが示唆された。
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Research Products
(3 results)